生徒会長の恋事情せかんど【伊東歌.詞太郎】 (ページ32)

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第六十七話　たとえキモくてもページ32

お風呂から出れば髪は自然に乾かすこと。
生徒会長だから頑張る勉強も本当はそんなに得意ではないこと。
誰かに頼られると顔がニヤけそうになること。

今日この時間だけで先輩の色々な事を知れた。
それが凄く嬉しくて、先輩にバレないように隠れてニヤニヤしている私。

あぁ、もの凄くキモイ…。
キモイぞ、私…。

だがしかーし。
いいんです。キモくていーんです。
それでも先輩が好きだと言ってくれるから…！！

「A。」

「は、はいっ！」

突然名前を呼ばれてビックリした私。
そんな私を見て先輩はふはっと吹いた。

「ちょ、そんなに笑います！？」

どこにツボったのか分からないが最終的にはベットに転がってお腹を抱えて笑い始めた先輩。
ごろんごろんと転がる先輩にどうしていいか分からない私。
何か、置いて行かれた気分…。

「せんはーい。洸葵せんぱーい。」

私が何かい呼んでもなかなか自分の世界から出てこない。
何だかそれが少し寂しくて、息を思いっきり吸う。

そして…。

「洸葵くん！！！！」

思いっきり叫んだ。
しかも気づいて欲しいあまりに洸葵くんって呼んじゃったし…。

「あ、ごめんね。A。完全にツボってた。」

まだ笑いを止められていない声で謝る洸葵先輩。

「あ、しかも今名前で呼んだ、よね？」

すっごいニコニコしてる。
名前で呼ばれるってそんなに嬉しいのかな。

あれっ。
私今まで洸葵先輩って呼んでたよね…

「付き合ってるんだし、これからは洸葵くんって呼んでよ。」

「ま、マジですか…結構勇気いるんですけど…」

「ははっ大丈夫大丈夫。すぐ慣れるって。」

っていうことで。
洸葵くんって呼ぶことにしました。
まぁ、先輩からくんに変えただけなんだけどね。
めっちゃ照れますよ。はい。

でも、頑張ります。