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「二人って“シンメ”ってやつなんでしょ？シンメってどんな感じ？」
リンに想定外のことを聞かれ、思わず言葉に詰まる。
どうやら隣の北山も同じらしい。
「リン、野暮だよ」
「え〜でも気になるじゃん〜〜〜シンメってプリパラにはない概念でしょ？」
「そうだけど。私とリンの関係って一言で説明できる？」
「一言じゃ無理だね！」
「でしょ？きっとシンメってやつもそういうことなんじゃないの」
そう言いながらレイが俺たちの方を見る。
どうやら助け舟を出してくれたらしい。
レイに諭され、リンがはーい…と肩を落とした。
そんな二人を見ていて、気になっていたことがあったのを思い出す。
「そういえば、Rose Crownって3人グループじゃないんだね」
「あ、それ俺も思ってた。プリパラって基本3人チームなんだろ？」
俺の言葉に北山が続ける。
最近プリパラでのライブを見るようになってから、プリパラアイドルのほとんどがトリオで活動していることに気づき、Rose Crownのような2人組のユニットは一度も見ていなかった。
シンメの話を出されてそのことを思い出し聞いてみたが、何か理由があるのだろうか。
俺らの問いかけにリンがあー…と唸る。
「うんまぁ、3人のとこが多いんだけどね。わたしたちは2人。ねっ」
「ええ。私たちはお互い以外必要ない。私たち2人で私たちにしか出来ないパフォーマンスをするの」
レイの彼女らしい物言いに、隣にいた北山がブレねーな…と感心したような声を漏らす。
さっき一瞬見せていた頼りなさげな少女と今目の目にいる彼女が本当に同一人物なのか、俺も甚だ疑問だった。
「ね、用ってもう済んだんだよね？これ以上特にないなら私戻りたいんだけど」
「あ、待って」
踵を返そうとする彼女を慌てて引き止める。
が、ほぼ咄嗟に引き止めてしまい特に用はなかった。
「なに？」
「あ、うん。ドラマ、頑張ろうね」
「え？もちろん」
そう言うと彼女は不敵な笑みを浮かべこちらに向き直ると、よろしく、と言いながらもう一方の手を差し出してきた。
その笑みと差し出された手を見ていると、嫌われているかもしれないと思っていた数刻前の自分がなんだか馬鹿らしく思えるようだった。
リンと北山が俺たちを見て微笑む気配を感じたが、今の俺にはそんなことどうでもよくて、ただ目の前の彼女と一緒に芝居ができる日が楽しみだった。
続く (更新停止中)
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作者名：かしわもち | 作成日時：2023年3月1日 12時
