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「さっきも説明した通り、プリパラは外の世界とは異なる存在の空間なのね?だから外のルールは通用しないし、中で何があっても外ではニュースにならない。でもプリパラの中のライブは届けられるじゃない?」
「プリパラTV…」


宮っちが呟く。俺が昨日Rose Crownのステージを見た中継がおそらくそれに違いない。



「わたしたち、その逆ができないかなって考えててさ」


リンの言葉は予想外のものだった。
逆とはどういうことだろうか。
 
 
 
 
 

「プリパラが安定してパフォーマンスのできる空間って言っても、プリパラの中でライブする女の子って結局は外の人間でしょ?誰でもアイドルになれるとはいえ、常に安定したきらめきが得られる保証はない」



たしかに、と頷きながらニカが相槌を打つ。



「だから外からもプリパラにきらめきが届けられればいいな〜って思ってて。ま、その方法はなーんも分かってないんだけどね」


自嘲気味にそう言ってから、とにかく、とリンが続けた。



「プリパラでライブはできないけれどプリパラのことを知ってる人を外に置いておいて、わたしたちがよりプリパラの外と中両方で活動しやすくなるように協力してくれる人が欲しいってワケ」



曲を使っていいか否かの話だったはずがいつの間にか手を組むか否かの話になっていた。
これはいよいよ持ち帰って俺たちが全員で相談しないといけないことだな、などと考えていると、リンの言葉を聞いていた宮っちが、ずっと気になってたんだけど…と口を開く。



「ロークラって事務所とかマネージャーとかないの…?プリパラアイドルってその辺どうなってるのかよく知らないんだけど…」


その問いかけにリンは一瞬ぴくっと反応し、すぐさま少しバツが悪そうに、あー…と声を漏らした。


「プリパラアイドルには大体マネージャーが1チームにひとり付いてるんだけど、わたしたちにはいないんだよね…事務所とかはみんな入ってないし、わたしたちは完全セルフプロデュースなの」
「セルフプロデューススゲー!それ大変じゃないの?」
「簡単ではないけど、何事にも縛られないからわたしたちにとってはやりやすいよ」
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「わたしたちRose Crownは誰の指図も受けない。自分たちの道は自分たちで切り開いて進むの。それがわたしたちだから」




ニカの質問に答えたリンは軽く息をついてからそう静かに言い放った。
 
 
 

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作者名:かしわもち | 作成日時:2023年3月1日 12時

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