57話 取ってもらっていい? ページ13
「お前らもっと声出せ!!!」
「足止まってんぞ!」
「ハンズアップ!しっかりしろ!」
今日も、練習で監督の怒声が体育館中に響き渡る。
明日が試合なので、練習も監督の指導もいつも以上に気合が入っています。
あ、そうそう!先日のテストでの赤点者は一人もおらず、全員揃ってインターハイ予選に出場することができます!
『んー...肩痛いな〜...』
「白川、ホワイトボードを持ってきてくれ」
『あ、はい!』
明日の試合に疲れが出るといけないので、今日はいつもより早めに終わるらしい。
ちなみに今日は自主練もないそうだ。
そろそろボトル回収していかないといけないし、荷物の準備もしなきゃいけないな。
試合前日ってやっぱり大変だなー。
監督の元にホワイトボードを持って行った所で、集合が掛かる。
一旦制服に着替え、視聴覚室で明日の試合の作成会議をする。
私が先日行った相手校のスカウティングを報告し、そこから戦略を練っていくといったものだ。
そう言えば、最近はスカウティング結果が細くて正確だと言われることが多くなってきた。
約30分程の作戦会議は終了し、今日は解散。
私は救急箱の補充をしたり、スコアのチェックをするためにまだ残ります。
他の1年も、ボールや試合に使う道具の準備があるので一緒に作業をする。もちろん涼太も。
『あー...涼太、棚の救急箱取ってもらっていい?』
「もちろんっスよ!」
そう言って涼太は、棚の救急箱を取り、私に渡す。
「でも上の方にあるけど、Aっちが届く所に置いてるっスよね。どうかしたんスか?」
『最近肩が痛くてね。腕上げると辛いんだ〜』
「年っスか?」
『殴られたいの?』
「最近Aっちが笠松先輩化してきてるっス!?」
『涼太が余計な事言うからでしょ!』
ギャーギャー二人で騒ぎながらも、作業を進めていく。この光景は男子バスケ部1年の間で、名物となっているらしい。
すると、後ろから吉田くんが心配したような声色で話しかけてきた。
「白川さん大丈夫?俺明日ボトル運ぶのとか手伝うけど!」
『ううん!大丈夫だよ!心配してくれてありがとう』
「い、いや!無理はしないでね!」
吉田くんはそう言って、倉庫から出ていってしまった。
他の部員が、よくがんばった!等と言っているような気がしたけど、とりあえず気にしなくてもいいかな。
「...はっはーん!そういう事っスか!」
『変な顔してないで、早く終わらせて帰るよ。笠松先輩待ってるし』
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笠松もみじ(プロフ) - シャンプーさん» 作品を読んでいただきありがとうございます!面白いと言ってもらえる展開を書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2018年1月26日 10時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 小説面白いです!初めから一気に読ませて頂きました。次の展開が楽しみです☆更新待ってます(≧ω≦) (2018年1月24日 21時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
笠松もみじ(プロフ) - 氷食症さん» 面白いと言っていただけて幸いです!更新頑張らせていただきます! (2018年1月1日 20時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
氷食症(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新お待ちしております! (2018年1月1日 17時) (レス) id: 4abaca475b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年11月12日 15時