【stpr】マフィン焼いたら家燃えた 2

マフィン54 ページ9

翌日



今日はまだAが起きてこないので一人寂しくさ○るチーズを食べていた

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

こ「あーい」

そしたらインターホンが鳴ったので残りも口に詰めて向かう

この前先輩がぽちってた料理本かな、それとも莉犬くん？

昨日のツイートがあり警戒心を解いていた僕はそのまま扉を開けてしまった



「ふふ、おはようっ。ころんくんっ」



自分が今は有名人であり、僅かでも危険と隣り合わせであることを忘れて

こ「あ、え、やっ・・・」

急いで扉を閉めようとするがその子は靴を間に挟んで閉じられないようにしている

「なんで？なんで閉めようとするの？私のこと嫌い？ねぇ、嫌い？嫌いなの？」

こ「好き嫌いの前にそもそも誰ｯ・・・！」

「え・・・？あ、そっかぁ！あははっ、ころんくんったら私の気引きたいからって冗談言わないでよぉ」

狂ったように嫌い？と尋ねるのでそう返すと今度は笑い出す

気味が悪くて後退っても家の中に侵入してくるばかりで解決方法がない

しかも寝室にはAがいるし

もうやだ、こーゆーのがちでダルい！

漫画とかだったらAと僕の立場が逆で僕が助けるのに

そう思いながらもう一歩後ずさると足がそれ以上進まない

否、進めないのだ。後ろがもう、壁だから

「ころんくん、逃げないで？私ころんくんのことずっと好きだし、ころんくんも私のこと好きでしょ？
だって握手会のたびにいつも手握ってくれたもん！笑ってくれたもん！
違うなんて・・・許さないから」

僕を壁際まで追い詰めたそいつは辺りに不穏な空気を漂わせる

そして

「もし、もし違うんだったらちゃんと正さないと・・・。大丈夫、あっちではちゃぁんと、私のこと好きだからさぁっ！！」

赤黒く光るカッターを振りかざしていた

いや、だから誰！あっち行きたくないし握手会では握手するの普通だし！好きじゃないし！

僕が心の中で素早く突っ込んでいる間に、勢いよく振りかざされたそれはもう目の前に迫ってて、

あ、これはだめだ

って悟る

先輩にも皆にも怒られちゃうなぁ。やだなぁ

僕はせめて、と腕で顔をかばい次の瞬間訪れる痛みを覚悟した

しかし

ｻﾞｼｭｯ

痛く、ない

確かに鈍い音がしたはずなのに、腕には何の痛みも訪れない

刺されたら感じるらしいあの熱い感じもない

恐る恐る腕をのけると

『私の後輩に手、出さないでくれるかな』

腕をカッターで刺されながらも凛とした声で言い放つ先輩がいた



ーーー
せ、先輩ぃぃぃっ！！

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