【stpr】マフィン焼いたら家燃えた 2

マフィン74 ページ29

莉犬サイド


数日後


莉「なんでも券か・・・」


誰もいない自室でもらった券を照明にかざしながらそうつぶやく


母の日にもらうようなプレゼントだが、すごく丁寧に作られた券


こういう贈り物のセンスが先輩特有の不思議な感じで、けど嬉しくて

何を頼もうかとウキウキしながら考えてしまう


今度お出かけか何かに誘ってみようかな

それともゲームでもしよっかな


なんて、建前じゃなくて本音を言うなら一日だけ、なんなら一分、一回でいい

好きと言ってほしい


図々しいことなんてわかりきっているし、その好きに俺が期待するものがないのもわかっている


それでも尚、願ってしまう俺は駄目な奴ですか。それとも最低な奴ですか


莉「どっもだよ、ばか・・・」


自嘲気味に笑いながら先輩にメールを送る





〈送信先:先輩
送り主:りい
題名:先輩日曜暇ですか？

先輩先輩！今度の日曜休み取れたので2人で遊びませんか？
先輩がもし暇だったら教えてください((o(*＞ω＜*)o))〉



すると数分もたたないうちに返信が来た


〈送信先:りいくん
送り主:A
題名:先輩日曜暇です！

もちおっけー！今週空いてるよ！楽しみ！(∩´∀｀)∩〉



ころちゃんだったら先輩はもっと喜んだのかな


莉「あーあ、俺がころちゃんだったらよかったのに・・・！」


潤んできた目をこすって腕で覆う


俺があきらめれば皆幸せになるんだから泣いちゃだめだよ、俺


莉「先輩のこと、応援しなくちゃ」


無理矢理口角を上げて笑ってみても拭ったはずの涙は止まらなかった







ーーー
新作です
先輩の前世は多分十円ガム
後輩を溺愛するころちゃん(先輩)と、なんだかんだ先輩を甘やかす夢主のゆるい恋愛話です
もしお暇でしたらくしゃみついでに見てやってください

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