【stpr】マフィン焼いたら家燃えた 2

マフィン67 ページ22

別に会話に入れないなら入れないで一人で飲むもん、と決意すること二分

目の前に先輩が買ってきたであろうクッキーが差し出される

『ほい、一個あげる。なんか不思議なのみつけてきたから』

先ほど言われたように安定で変なものらしい

本人は不思議なものと否定しているがスイカ味のクッキーは果たして不思議で収まるのか

そこらへんは気にすると次の日ハゲるので息を吸うように頭から消して、クッキーを口に運んだ

うん、変な味だわ









こ「先輩、ここで寝たら風邪引くよ」

『むりぃ・・・』

莉「なにが？」

『ご飯・・・』

莉「ご飯！？」

あれから一時間ほどたって先輩は寝てしまった

リビングで寝られても困るので起こそうとするがイヤイヤ期の子ども並みに拒否する

頑なだ

もうてこでも動かないと思う

そんなことを考えながら先輩を抱きかかえると、もそもそと背中越しに動き出す

こ「ちょっとだけだから大人しくして」

『ここにいるからいーい・・・』

それでもソファに寝かせると謎の妥協で許してくれたのか満足げに寝始めた

いや、寝るならベッドのほうが絶対よかったでしょ

そう思いながら頭を少し撫でて莉犬くんのとこに戻るとやたら真剣な表情でこちらを見ていた

こ「？なに？」

頭に数個の？を浮かべながら問いかけると莉犬くんはゆっくりと口を開いた

莉「ころちゃんがさ、先輩好きなの知ってたから応援しようと思ったけど、ころちゃんがアピールしないようであれば」

一度間を置いた莉犬くんは再び口を開く

莉「先輩の事・・・とるよ」

こ「っ！」

思わずこわばる僕をよそに先輩のもとに行き頭をなでる莉犬くん

とるよ、ってことは莉犬くんも・・・

余計に体に力を込めていると莉犬くんが振り返った

莉「先輩の事なら一番分かるけど譲んないから」

こ「・・・渡さないし」

莉「ふふ、ならアピール頑張ってよ。それが一番いいんだから」

そう言う莉犬くんはどこか悲しげだった

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