【stpr】マフィン焼いたら家燃えた

マフィン14 ページ16

こ「・・・てな訳で僕の先輩」

パンを頬張りながらこれまでの経緯を説明してくれたころん

それを聞いて怖い人こと、さとみさんは大きく息を吐く

さ「マジかぁぁぁ、俺話も聞かずに勘違いしてめっちゃ最低だったわ。
すみませんでした、本当に。何発でも殴って頂いて構いませんので」

深々と頭を下げられて罪悪感が膨らむ

『こちらこそ誤解させるような存在ですみません。私こそ殴られるべきです』

なのでこちらも負けじと頭を下げて謝罪する

そうするとさとみさんもより頭を下げるので私もさらに頭を下げる

多分ずっと頭下げあう謎の時間が訪れるんだろうな、と思っていると

こ「はい、ストップ」

ころんから制止の声がかけられた

こ「二人とも顔あげて。腰痛くなるでしょ、その体勢」

ころんにそう言われて顔をあげる

さとみさんも同じように顔をあげた

こ「今回は事前に二人に言ってなかった僕が悪いから謝るのやめ！異論は認めない！
そして殴るなら僕！って言いたいけど二人に殴られるのはキツいから枕で！いい？」

ぴしっ、とスティックシュガーでこちらを指差しながら言うころん

何でスティックシュガーなのかは分からないがそれは私にも、さとみさんにも配慮された言葉

あと自分の身の安全にも

ちゃっかり自分の心配もするあたりころんらしくてつい笑みが溢れる

『ふふっ、分かった。改めてすみませんでした、さとみさん』

最後にもう一度だけ頭を下げて謝罪するとさとみさんも頭を下げた

さ「いや、こちらこそすみませんでした。今度何か奢ります。お菓子でも服でも何でも」

ふるふる首を横に振り断っていると急に引き寄せられる

こ「ちょっとさとみくん、僕の先輩を口説かないでよ」

引き寄せたのは声の主であるころん

口説くって言い方よ

少し苦笑する私とは対象的にさとみさんはニヤニヤする

さ「僕の先輩、ねぇ。ヤキモチですか？ころん先生」

ケラケラ笑って茶化すさとみさん

ころんは黙って何も答えない

私は上を見上げないところんの顔が見られないので上を向こうとするところんの手で遮られる

こ「先輩こっち見ないで」

さ「あはは、真っ赤な顔なんて見せられないもんな」

こ「さとみくん！」

やれやれ、女子を抱きしめて照れるとはころんもまだまだ思春期だなぁ

軽く鼻で笑うと下痢ツボを押された

人間性を疑うよね、うん

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