ヒロイン潰す為に帰ってきました。 Ｐａｒｔ２

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羽水さんの後を追うようにして体育館に入ると、中はちょっとした騒ぎになっていた。

そりゃそうだろう、行方不明と言われていた人が、急に、何事も無かったかのように現れたのだから。


中でも、私の自己紹介の時から興味しんしんだった光太郎先輩と木葉先輩は、羽水さんを質問ぜめにしている。


「え、え、お前どこ行ってたんだ！？」

「行方不明って聞いてたけど」


さて、羽水さんはどう誤魔化すのかな？

聞き耳を立てながら、音駒の皆さんにスポドリを配っていった。


「A、あの子、何してたんだ？」

「分からないです。さっき、スポドリを作ってたら突然声をかけられて」

「ふぅん」


クロ先輩はそう言いながら、梟谷をジッと見る。


「え・・・行方不明って、そんな事になってたんですか？私、頭が痛くて部屋で休んでただけですよ？」


無難といえば無難な理由だけど・・・よく考えると、無理がある。


だって、私達と別れてから選手達の部屋に行くまでの短時間に、監督にも報告出来ない程の頭痛がしたって事でしょ。

そんな事、普通はありえない。

羽水さんが、そういう病気でも持ってたんだったら別だけどね。


ただ、その事に気付いた人は、あまり居なかったみたいだ。

梟谷だと京治先輩、音駒だと研磨にクロ先輩。


・・・この人達元々私の味方だから、あんまり意味がない。

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