もう少しそばにいさせて...taisuke... (ページ15)

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“ガチャ…”

という音が鳴り終わる前に

その男性は勢いよく扉を開け

かろうじて1番近くにあったトイレの扉に手をかけ

中に入っていった

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博美「一体なんなの…」

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それは反射神経のようなもので

早く早くといわれたら

そりゃ急いで開けちゃうよ

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でもこれって

普通に考えたらなんか…

ヤバいよね？

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今日は冷静に考えると

ヤバい行動ばかりをとっている自分に

少し笑えた

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いや、笑ってる場合じゃない!!

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そうですよ

笑ってる場合なんかじゃありませんよ

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どうすればいいの？

ほっとけば帰ってくれるよね？

そうだよね？

うん、そうに決まってる

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そんな根拠もないことを言い聞かすしか

今の不安を抑えることはできなかった

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トイレからは

一度水を流す音が聞こえたっきり

何の物音もしなくなった

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そーっと扉の前に近づくと

いつの間にか鍵がかけられていて

博美「大丈夫ですか...？」

の問いかけには

何も返ってこなかった

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心配になって

しばらくそこで待っていたけど

本当に何の反応もないから

不安になるだけムダだ...と切り替えて

もう作る気もなくなった料理の材料を

冷蔵庫にしまいこんだ

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自分の部屋なのに

まるで自分の部屋じゃないみたい

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実態の知れない他人が

一部にいるってだけで

こんなにソワソワするものなのかな？

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ソファーに座っても落ち着かなくて

部屋の端まで行ったり来たりを繰り返す

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