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勇気「そういえばさ...」


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人波の中を窮屈に進んでいると

ふと先輩が話しだした


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勇気「うちの上司がさ
この間お前の記事読んだみたいで
この娘気になる〜
みたいなこと言ってたんだよね

何か温泉みたいな記事のやつ」

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その記事は忘れもしない


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旅館の人には

ライターであることを内緒にして泊まり

料理や接客をこと細かに評価した

人気企画の一つで


露天風呂から眺めた景色は

まるで日常を忘れ去るかのような

そんな雰囲気に

筆が進んだのを覚えている


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自分の自信作が

そうやって人の目につき

そして

評価を得られるということは

やはり

ライター妙技に限る


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ましてや

先輩が勤める大手会社の方にそう言っていただけたことは

何よりもの自信へ繋がる


.


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勇気「お前ニヤニヤしすぎ」

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あまりの嬉しさに

人目もはばからず

大いにニヤけてしまっていたようだ...


そんな私を

面白そうに見つめる先輩

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は...はずかしい...


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勇気「それでさぁ」


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赤面する顔を

何とか隠そうと俯いていると

まだ面白そうに笑っている先輩の声が

頭上からふりかかった

.

6→←4


ラッキーアイテム

革ベルト


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作者名:橘花恋 | 作成日時:2012年9月4日 2時

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