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そして、話は「海賊王」の収録に戻る。
今EDENさんがいないから、わたしがレコーディングかつ指導を任されているわけで。
「どうする?一回休憩しようか?」
SH「まだできます。納得いくとこまでやらせてください。」
頑張るなあ。感心する。でも、無理はダメ。
「喉を酷使しすぎるのも良くないから、ね。少し休んだ方が良い音程とれるかもしれないし」
SH「、わかりました」
レコーディング室から出てきた彼にミネラルウォーターを渡して、横にあるソファーに誘導する。
「ソンファは絶対人気出るだろうね」
SH「そう思いますか?実はあんまり自信なくて...」
「歌のことだけじゃなくて?」
SH「僕、メンバーがいないだけでなんにも出来なくなっちゃうんですよ。自分が情けなくて。」
「素晴らしいね、仲間って。」
SH「でも僕が最年長なのに、メンバーに精神的に頼ってるばかりで良くないなって。」
「そんなことないよ!そもそもみんな年のことで悩み過ぎ。上と下で2歳差しかないでしょ?能力に差があることを必要以上に気にするのはまだ早いと思うよ。それに見てて思うけど、ソンファは人柄がいいしダンスだってできる。あとは歌のスキルを上げるだけでしょ?」
SH「......はい」
こんな偉そうなことをソンファに言っておきながら、わたしだって何にも完璧じゃないくせに。色々悩んでしまうのも分かる。なんせマンネがここまで最初からなんでもできてしまうタイプなわけだし。つい自分の曲で成功してほしいからみんなには熱く指導してしまうけど、本当にそれだけなんだろうか。頑張る姿を見ていてわたしだって彼らからたくさんのものを得ている。わたしたちは同士だ。素直で頑張り屋な彼らだからこそ、そう思うのかもしれない。
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作者名:sonsotan | 作成日時:2020年2月12日 23時