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私が笑顔でそう言うと、そーくんは中からパウンドケーキを取り出し、パクリとかじりついた。
「どう……かな？」
ドキドキしながら尋ねると、そーくんは「ん……美味ェ」と言ってふわっと頬を綻ばせた。
「本当？よかったぁ……。
パウンドケーキなんて初めて作ったから心配だったんだけど……そう言ってもらえて安心した」
私がそう話している間に、そーくんはぺろりとケーキを平らげてしまった。
それからそーくんは袋の中を確認し、閃いたように私に言った。
「……これ、食わせて」
「え？」
(食わせて、って……)
その言葉が何を意味しているのかがすぐに理解できず、私は首を傾げる。
「ただ食うだけじゃつまんねェだろうが」
そーくんはそう言って、こて、と首を傾げた。
「だから、Aが食わせて」
「っ……え」
(それってつまり……『あーんしろ』ってこと……！？)
「そ、それはちょっと……」
(恥ずかしすぎる！)
しかし、そーくんは私の様子は意にも介さず、チョコの袋を私に差し出した。
「他の隊士どもとおんなじチョコで我慢してやってんでィ。
これぐれェサービスしてくれてもバチあたりゃあしねェだろィ」
そう言って、そーくんは私をジッと見つめながら「ん」と再びチョコを差し出してくる。
しばらく拒み続けていた私だったけれど、結局その視線に負け、とうとうチョコを受け取ってしまう。
すると、そーくんは「やりィ」と呟いて、「早く」と私を急かす。
やっぱり恥ずかしかったけれど、もうこの状況から逃れる術もなさそうなので、私は観念してチョコを一つつまみ、そーくんの口元へ差し出す。
恥ずかしさで指先が震えてしまう。
そーくんはその様子を見ると楽しそうな笑みを浮かべ、私の指から直接チョコを口に含んだ。
「ん、これも美味ェ」
そう言ってぺろりと唇を舐めたそーくんがどことなく色っぽくって。
直視できず、私はばっと目を背ける。
「A」
しかし、名前を呼ばれ、私はほぼ反射的にそーくんに視線を戻してしまう。
目が合ったそーくんは、私の予想に反して柔らかく微笑んでいて。
「チョコ美味かった。
……ありがとな」
「っ……うん」
そーくんのその笑顔で、恥ずかしいとかそういうのが全て消えてしまう程度には、私はそーくんに絆されてしまっていると気づいてしまった日だった。
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赤羽@美羽(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2020年3月13日 9時) (
レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ面白いです！さっそくお気に入り登録しちゃいました！更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2020年3月12日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤羽@美羽 | 作成日時：2019年9月11日 7時
