【番外編】バレンタイン 2020ver. ページ36
2月13日。
私は屯所の台所で一人奮闘していた。
(こんな感じ……かな……？)
出来上がったチョコを見て、私はほっと息をつく。
明日はバレンタイン。
いつもお世話になっている屯所の方々に配ろうと思って、屯所の方全員分のチョコを作ったのだった。
今年、私は市販のチョコを一回湯煎で溶かし、もう一度固め直すという定番の方法でチョコを作っていた。
その後型に入れ、数時間固めたものを目の前に置き、私は後一息だと気合を入れ直す。
(後は、ラッピングするだけ……)
一つ一つ、丁寧に袋に入れていく。
ハートや丸、四角いチョコが袋の中に詰まっている様子が何だか可愛い。
(……よし、後はお兄ちゃんたちだけ……)
隊士の方々のチョコを詰め終わった私は、それらを一回棚の中にしまってから戻ってくる。
お兄ちゃんたちには日頃の感謝も込めて、チョコのパウンドケーキも作ったのだった。
(……喜んでくれると良いな)
ケーキとチョコをラッピングしながら、私は思わず笑みをこぼしたのだった。
.
次の日の朝。
いつもより30分ほど早く起きた私は、皆さんが朝の稽古をこなしている間にチョコの最終確認を済ませていた。
暫く待っていると、稽古を終えた皆さんが隊服に着替えて食堂へやってくる。
食堂のカウンターの端っこで待っていた私は、おばさま方から朝食を受け取った隊士の方々に一つずつラッピングしたチョコを配って行く。
「はい、どうぞ」
「え？
こ、これってもしかして……」
「はい。今日はバレンタインですから。
受け取ってもらえると嬉しいです」
笑顔でそう言えば、隊士の方はパァッと笑顔になって、振り返って食堂に響き渡る大声で言った。
「皆！
Aちゃんが俺たちにチョコ作ってくれたぞ！！！」
すると食堂はわっと沸く。
「マジか！」
「ぃやったぁ！」
隊士の方々はその言葉を聞いてパッと笑顔になる。
そして私の前に来ると口々にお礼を口にしてくれた。
「ほんっとうにありがとうAちゃん！」
「すごく嬉しいよ！」
「え、これ食べないで取っといてもいい？」
「え……あの、ちゃんと食べてくれると嬉しいです……」
そんなこんなで大分チョコを配り終えたところで、私はふと気づく。
「あれ？そういえば、そーくんたちがまだ来てない……？」
すると、たまたま私の後ろを通りかかって呟きを耳にしたおばさまが振り返って言った。
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赤羽@美羽(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2020年3月13日 9時) (
レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ面白いです！さっそくお気に入り登録しちゃいました！更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2020年3月12日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤羽@美羽 | 作成日時：2019年9月11日 7時
