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三十五輪 ページ42

「A?」

私の後ろからそーくんもついてきて、2人で庭へ出てみると。



「わぁ、可愛い!」

そこには、数匹の猫がいた。

「なんだ、ただの猫かィ」

そーくんは何でもないことのように言ったけれど、私は思わず手を伸ばす。

「っおい!」


そーくんの焦ったような声が聞こえたけれど、構わずに、その中から白猫を選び抱きかかえる。

人間慣れしているのか、猫は抵抗することなく私の腕に収まった。


「見て、そーくん。とっても可愛い」

顎の下を撫でてあげると、猫は気持ちよさそうにごろごろと喉を鳴らした。


「まぁ、可愛くなくはねェが……」

そーくんはそこで言葉を切り、私に言った。

「引っ掻かれたりしたらどうするつもりだったんでィ。
それにオメーはあんま動物と触れ合わねェ方がいいんじゃねェのかィ?」


(そこまで深く考えてなかったな)

自分自身でもそこまで考えていなかったことを指摘され、驚く。


「……そこまで考えてなかった」

素直に言うと、そーくんは呆れたようにため息をついた。

「ったく……。

とりあえず、今は大丈夫なんだねィ?」

「うん、大丈夫だよ」

頷いて、ふと私は思う。

(そういえば、そーくんっていつも、まるで自分のことのように私の身体のことを考えてくれている)


そのことに気づいた私は、心が温かくなり、笑みをこぼす。


「そーくん」

「あ?」

「……いつも、心配してくれてありがとう」


笑顔で伝えると、そーくんは「……別に」と照れたように顔を背ける。



そんなそーくんの様子に、私は笑みをこぼした。









.









次の日。

私達食堂で働いている人は、全員目が回るほどの忙しさに見舞われていた。


どうやら、伊東鴨太郎さんという、長期の任務に出ていた方が帰ってくるらしい。
そこで夜、歓迎の宴が開かれることになった。

勿論、その宴の準備だけをしていれば良いわけではなく、隊士の方々の朝ごはんや昼ごはんも作らなければならない私達は、てんてこ舞いだった。


「あらっ?」

食器の枚数を確認していると、誰かが一人声を上げた。


「どうしたんですか?」

近寄って声をかけると、その人は困ったように眉を寄せて言った。

「お魚が足りないみたい……。
今晩は折角だからお刺身にしようと思っていたんだけれど……」


困った様子の女性に、私は名乗り出る。

「もし良ければ、私が買ってきましょうか?」

「え?頼んでもいいの?」

「はい、任せてください!」

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» いつも読んでくださりありがとうございます!そういうことを言っていただけると、とても嬉しいです!創作意欲につながります!更新頑張ります! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - お久しぶりです!更新ありがとうございます!いつも楽しく読ませていただいてます。土方さんと一緒にいる主人公ちゃんを見て怒る沖田さん。主人公ちゃんに優しい沖田さん好きなのでこれからも楽しみです! (2019年6月19日 19時) (レス) id: 98522d48ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年3月28日 16時

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