十七輪 ページ24
「あの、少し食材を買いに行きたいんですが……」
すると、新八さんが反応を返してくれる。
「あ、もじがじで、食料ありまぜんでじだ?」
「はい……」
頷いてから、「すぐに戻ってきますので」と言うと、「悪りィなAぢゃん。頼まァ」と坂田さんが私と反対方向を向いたまま言った。
「はい」
「すぐに戻ってきますから」と再び言い、私は大江戸マートに向かって万事屋を後にした。
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大江戸マートで必要な食材を買ってから、私は急いで万事屋に帰宅した(因みに、あの調子では夜ご飯を作ることも難しいだろうと、夜ご飯の分の食材も一緒に買った)。
食事の準備を終えると、私は皆さんを起こすために、再び3人がいる部屋に入る。
「皆さん、お昼ご飯ができました。
食べられますか……?」
(本当は食べた方がいいのだけれど)
恐る恐る問いかけると、神楽ちゃんと坂田さんは凄い勢いで起き上がり、「マジでが!早ぐ食べるアル!」と居間へと走っていった。
「あ〜腹減っだ〜」と坂田さんも後に続く。
その様子に驚きながらも、私は新八さんに声をかける。
「新八さんはどうですか?
食べられそうですか?」
すると、新八さんは少し怠そうに起き上がり「はい、折角でずじ、頂きまず」と言った。
起き上がるのも辛そうな新八さんに手を貸しながら、私達も居間へと移動した。
居間へ移動すると、坂田さんと神楽ちゃんは病人とは思えないほど輝いた顔で私が作った料理を見つめている。
「わぁ!凄ぐ美味じぞうでずね!」
新八さんも声のトーンを上げて言ってくれて、私は喜んでもらえたことにホッとする。
新八さんの声に私達の方を見た神楽ちゃんは、私が新八さんに手を貸しているところを見て、「あぁ!」と大きな声をあげた。
「新八!何Aと仲良ぐじでるアルが!
風邪だどいう立場を利用ずるなんで、卑怯アル!」
「ぞうだよ、新八ぐん。
確かにAぢゃんは可愛いげどな?
その子には怖ァい保護者だぢがづいでるがらね?」
「っ……」
(今、“可愛い”って……)
お兄ちゃんやミツバ姉、十にぃなどからしかそんなこと言われたことがない私は、カッと顔が熱くなったのを感じる。
すると、私の様子に気づいた神楽ちゃんが冷たい声で言う。
「銀ぢゃんも人のごど言えないアル。
オメーごぞAのごど疚じい目で見でるんじゃないヨ」
「はぁ!?何でンなごどになるんだよ!!!
大体俺ァごんな餓鬼にゃあ……!」
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赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» いつも読んでくださりありがとうございます!そういうことを言っていただけると、とても嬉しいです!創作意欲につながります!更新頑張ります! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - お久しぶりです!更新ありがとうございます!いつも楽しく読ませていただいてます。土方さんと一緒にいる主人公ちゃんを見て怒る沖田さん。主人公ちゃんに優しい沖田さん好きなのでこれからも楽しみです! (2019年6月19日 19時) (レス) id: 98522d48ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年3月28日 16時