* ページ21
「舌打ちしてんじゃねェ!!!」
「まぁまぁ。落ち着け、トシ」
青筋を浮かべながら大広間に戻ってきた十にぃに、お兄ちゃんが眉を下げながら言う。
「折角のトシが主役のパーティーなんだ。
楽しめよ!」
「いや、こいつら絶対ェどんちゃん騒ぎがやりてェだけだろ……」
十にぃはそう呟いてからはぁ、とため息をついたけれど、少し頰を緩ませて言った。
「お前ら、ありがとな」
その言葉に、隊士の方達がわっと騒ぎ始める。
「副長がお礼を言ったぞ!」
「副長が笑った!」
「明日は槍が降らァ」
「おい最後総悟だろ」
「総悟オオオオオォォォォォ!!!」
とそーくんに斬りかかりそうな十にぃを、私とお兄ちゃんで慌てて押さえつける。
「お、落ち着けトシ!」
「そうだよ、十にぃ!
ちょっと落ち着いて……!」
「あぁ?」と振り返った十にぃに、私は慌てて言った。
「きょ、今日のご飯はね、私がほとんど全部作ったんだよ?
だから、食べて欲しいな……」
十にぃは私に甘い。
それを知っていての言動だから申し訳ないけれど、十にぃを落ち着かせるためなら仕方ない、と腹をくくり、私は言う。
すると、予想通り十にぃは「……分かったよ」と言い、刀を収め、席についてくれる。
その様子にほっと息を吐き、私も十にぃの隣に座った。
「十にぃがマヨネーズが好きだからね、マヨネーズを沢山使ったおかずを沢山作ってみたの」
「へェ」
十にぃは頷き、アスパラガスの肉巻きマヨネーズフライを口に運ぶ。
黙って咀嚼する十にぃに、「どうかな……?」と不安な気持ちで問いかけると、十にぃは頬を緩め、「美味い」と一言言ってくれる。
「よかったぁ……」
と安堵していると、十にぃが私の頭を優しく撫でてくれる。
「わざわざありがとな、俺の為に」
「ううん」と首を振って私は答える。
「いいの。私がご飯を作る役に自分から名乗り出たんだから」
そして、私は一息おいて言った。
「十にぃ、お誕生日おめでとう。
それから、いつも仕事お疲れ様。
身体を壊さないように、自分自身の体調も気にかけてね?」
すると十にぃはふっと微笑み、
「あぁ、ありがとな」
と言ってくれた。
隊士の皆さんとワイワイ楽しみながら、十にぃのお誕生日パーティーの夜は更けて行った。
.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+.。*゚+.*.。 ゚+..。*゚+.。*゚+.*.。
大遅刻すみませんでした!
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» いつも読んでくださりありがとうございます!そういうことを言っていただけると、とても嬉しいです!創作意欲につながります!更新頑張ります! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - お久しぶりです!更新ありがとうございます!いつも楽しく読ませていただいてます。土方さんと一緒にいる主人公ちゃんを見て怒る沖田さん。主人公ちゃんに優しい沖田さん好きなのでこれからも楽しみです! (2019年6月19日 19時) (レス) id: 98522d48ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年3月28日 16時