二十四輪 ページ26
「……分かった。買っていくね」
「……ありがとう、Aちゃん」
ミツバ姉は優しく微笑む。
と、蔵場さんがミツバ姉に声をかけた。
「じゃあ、行こうか、ミツバ」
「はい」
車に乗り込み、窓を開けてくれたミツバ姉に言う。
「また後でね」
「えぇ、後でね」
そのままミツバ姉を乗せた車は、真っ直ぐに病院へと走り去ってしまった。
.
「あ、これ可愛い」
お手伝いさん達にお店がどこにあるか聞き、私は教えて貰った『ファンシーショップ』なるものに来ていた。
お店の中を歩いていると、直ぐに便箋と封筒を見つけることができた。
その中の、薄いピンク色で、兎と桜が描かれた便箋セットを選び、お勘定を済ませた。
「ありがとうございましたー」と言う声を背にお店を出ると、丁度昨日の銀髪の人と鉢合わせした。
「ぁ……」
「あ」
お互いに動きを止める。
そう言えば名前を聞いてなかったな、なんて思い、声のかけ方に迷っていると。
(あ)
その人が持っている袋の中身に気づく。
「……辛いもの、お好きなんですか?」
「ンなわけねぇだろ!!!俺は根っからの甘党です!!!」
彼は、私がつい口に出してしまった疑問を全力で否定すると、
「お前“等”の姉ちゃんからの依頼だよ」
と言った。
「え?」
私“達”のお姉ちゃん……。
(側から見れば、
そんなことを考えながら、「依頼、ですか?」と問いかける。
「あぁ、そうだよ」
彼はそう言って、私に名刺を差し出す。
受け取った名刺には、「万事屋銀ちゃん」と書かれていた。
「万事屋?ですか」
「そ。
浮気調査、迷い犬探し、なんでも引き受けてらァ。
何かあったら万事屋にお願いしまーす」
そう言って軽く宣伝をした姿に思わず笑いをこぼしてしまい、私はもう一度名刺を見る。
そこには「坂田 銀時」と書かれている。
「お名前、坂田さんっていうんですね」
「うん、そうだよ?
あれ、言ってなかったっけ?」
「はい、初めて聞きました」
私は坂田さんの名前を知ってしまったのに、私の名前を教えないのは失礼だと思い、私は挨拶をする。
「私は、姫宮 Aと言います」
「……姫宮?」
私の名字に聞き覚えがあったのか、坂田さんは薄く反応を見せた。
「あの……?」
「……いや、何でもねェよ」
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あや(プロフ) - 赤羽@美羽さん» 受験お疲れ様でした! (2019年3月1日 0時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!受験が終わりましたので、どんどん更新していきたいと思います! (2019年2月28日 19時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 赤羽@美羽さん» お忙しい中更新ありがとうございます!受験頑張ってください!これからも楽しく読ませていただきます。 (2019年2月11日 19時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!もうすぐで受験が終わるので、そうしたらもっとテンポよく更新できるようになると思います!これからも読んでいただけると嬉しいです! (2019年2月11日 16時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 初めまして。沖田さんが好きで読ませていただいています。更新ありがとうございます。ミツバ篇好きな話なので、これから主人公ちゃんもどうなるか楽しみです! (2019年2月10日 12時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2018年11月18日 2時