十七輪 ページ19
お勘定を済ませ(宣言通り神楽ちゃんは「銀ちゃん」という人にツケていた)、私は3人に送ってもらいながら夕日に照らされる江戸の街を歩いていた。
すると、ふと神楽ちゃんが思い出したように言った。
「そういえば、「江戸に来るのは初めて」って言ってたアルよな？
何で来たアルか？観光アルか？」
「えっと……」
何て答えるべきなんだろう。
(「姉」の結婚式の為？
でも、血が繋がっているわけじゃない。
じゃあ、「一緒に住んでいた人」？)
そこまで自分で思ってから、その言葉の表す距離の遠さに、ズキリと心が痛んだのを感じる。
(……そこまで、遠い関係ではない……から。
なら……)
「えっと……大事な人が、結婚式をあげるので、その為に」
間違っていない。
ミツバ姉は私にとって、「大切な人」だから。
「おぉ……！」
「結婚ですか」
「それはおめでたいわ」
「おめでたい」と口々に言う3人に、
「でもきっと、そんなにおめでたいものじゃないんです」
とは、口が裂けても言えなかった。
「あ、もしかしてあの家ですか？」
(地図を見ながら)きちんと蔵場さんの家に辿り着き、門が見えてきたところで新八さんが言った。
「はい」と頷くと、後ろから「Aちゃん？」という声が聴こえて、ビクリと肩を震わせながら私は振り返る。
「ぁ……蔵場さん」
「今帰ったのかい？」
「はい」
そうして、蔵場さんは神楽ちゃん達に目を向けていった。
「お友達？」
「あ、はい」
自分でも声のトーンが僅かに上がったことが分かってしまい、少し恥ずかしくなる。
「そうか」
蔵場さんは頷いてから言う。
「私も丁度帰ってきたところでね。
こんな所にいつまでもいては冷えてしまうだろう。
さぁ、家に入って」
背中を押された私は慌てて神楽ちゃん達を振り返る。
「わざわざ送ってまでくれて、ありがとうございました。
とても楽しかったです。
また、色々案内して下さい」
「勿論ネ、任せるアル！」
「薬、ちゃんと飲んでくださいね」
「はい、ありがとうございます」
そうして手を振って彼らと別れると、蔵場さんが訊いてきた。
「もしかして、薬を飲み忘れたのかい？」
「あ、はい……蔵場さんのお宅に鞄ごと置いてきてしまって……」
「それはいけないなぁ。
帰ったらすぐに飲みなさい」
「はい」
その後ちゃんと蔵場さんのお家で薬を飲んだ私は、「暇だから」と、お手伝いさん達に頼み込み、一緒に夕飯を作っていた。
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あや(プロフ) - 赤羽@美羽さん» 受験お疲れ様でした！ (2019年3月1日 0時) (
レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます！受験が終わりましたので、どんどん更新していきたいと思います！ (2019年2月28日 19時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 赤羽@美羽さん» お忙しい中更新ありがとうございます！受験頑張ってください！これからも楽しく読ませていただきます。 (2019年2月11日 19時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます！もうすぐで受験が終わるので、そうしたらもっとテンポよく更新できるようになると思います！これからも読んでいただけると嬉しいです！ (2019年2月11日 16時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 初めまして。沖田さんが好きで読ませていただいています。更新ありがとうございます。ミツバ篇好きな話なので、これから主人公ちゃんもどうなるか楽しみです！ (2019年2月10日 12時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤羽@美羽 | 作成日時：2018年11月18日 2時
