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男『あのー、なんでまだ出陣してないんですか？高い給料払ってるんですからちゃんとやってくれないと困るんですよね。』
「すみません……。」
本丸に来て、二日。
広間の隣の部屋にある審神者部屋にAはいた。
備え付けの黒電話の向こうで中年男性がため息をつく。
彼は私のいる本丸の地域の管轄らしいが何となく嫌味な人だった。
しかも彼は声も大きいので隣の部屋の刀剣達に会話を聞かれるかハラハラする。
「で、でも…皆怪我、してるんです。そんな状態で…、」
男『はぁ？そんなものちゃっちゃと治せばいいでしょう、手入れ方法も教えましたよね？』
「は、はい…。」
そんなことを言われても女中の仕事以外何もするなと言われてしまったのだからどうすることもできない。
「か、彼らが出陣は嫌だって言ったら…どうするんですか…？」
男『チッ……。何のための霊力ですか、それ使って強制的に従えればいいだろう。こっちも昇進がかかってるんだ、勘弁してくれ。』
「ごめんなさい…。」
男『…アンタ、やる気あるのか？そんなんじゃ奴らを束ねるなんて出来ないぞ？』
「……や、やる気はあるんですけど……。」
男『…せいぜいがんばんな。』
男が荒っぽく電話を切る。
束ねるなんて、無理だ。
そんなこと分かってる。
男の人は元来苦手だ。
そういう点でも私は審神者には向いていないのかもしれない。
でも。
やめられないのだ、金を手に入れるまでは。
？「待て。」
「ひ………っ。」
思いため息をついて立ち上がろうとした時だった。
ぐらりと後ろに重心が傾き、男らしくたくましい腕が左から伸びてきてAを包んだ。
同時にキラリと光る刃も首筋に当てられる。
？「何の話をしていた？」
「しゅ、出陣に関することです…！」
？「ほう？」
ぐるりと視界が周り、ダンっと壁に首を掴まれて押し当てられる。
「かはっ………、」
？「妙なことはするな、我らはお前の言うことなど聞かぬ。」
目に映ったのは白い髪を揺らめかせ冷たく見据える男………小狐丸の姿だった。
「しっ、しません…！ここの主人ではありません、だから、しません！」
小狐丸「電話の相手に何を言われようとも、か？」
「はいっ、私がここにいられるのは皆様方が私を女中として扱ってくださるからです、ですから…………、」
そう言うと、不意に首にかけられた手がどいた。
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オーキッド(プロフ) - 輝さん» コメントありがとうございます。もちろん乱は男ですが姉さんと呼ぶ方が乱は喜ぶという設定です。あまり気づいてくださる方がいないのでこのようなコメントは嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年7月23日 9時) (
レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - 31話で五虎退が乱を"乱姉"と呼んでいましたが乱は男なので乱兄では？ (2018年7月11日 13時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - はにーまかろんさん» はにーまかろん様、いつもコメントありがとうございます。刀剣達はまだ全面的に主人公が好きという感情を表に出したくないので刀剣:不器用かつ意地悪vs主人公:気弱、な争い(?)が起こっていく感じですね。これからも宜しくお願いします。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
はにーまかろん(プロフ) - 天下五剣の冷笑は暑い夏にぴったりですね！とまあ冗談はさておき、最新話読ませていただきました。お、これは主人公ちゃんへの独占欲が出ているのか！？刀剣男士の反応の意味を１人１人想像しながら楽しく読んでいます。長文＆乱文失礼致しました。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: 578cdfafe4 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - (aya*)W.H)さん» ありがとうございます。どちらのシリーズでも少し重い話が入ります。これからもよろしくお願い致します。 (2016年6月15日 7時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オーキッド
| 作成日時：2016年5月26日 6時
