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ただのファンデーションなはずだが、首元の赤い痕は見当たらなくなっていた。


「…一回、落としてみましょうか。」



メイク落としのコットンを使って首元を拭う。
確かにそこにあったはずの鬱血は消え去っていた。



乱「え?!なんで??」

三日月「ほう、この白粉が効いたのか?」



三日月が自分で首元に白粉をはたき、コットンで首を拭いた。




三日月「………消えんなぁ。」



鏡には赤黒い痕が映ったままだった。


「何故でしょう……。」

三日月「うむ………。ちょっと手を貸せ。」

「あっ、」



三日月に右手を掴まれ、首元に当てられる。




「え、と…あの…?」

三日月「……ふむ。こういうことか。」




手を離すと、痕は消え去っていた。
一体どういうことなのだろうか。



三日月「つまりは、お主の霊力がこの痕に残っていた霊力を打ち消したというわけだな。」

「は、はぁ…?」


よくわからないが痕が消えた2人はご満悦のようでニコニコと鏡を見ている。




乱「意外とやるじゃん!じゃ、次〜。」



乱が他の刀剣をぐいぐいと前に押し出す。

前に押されたのは鶴丸だった。




「……よ、宜しいですか……?」

鶴丸「……あぁ。」




鶴丸の首に手を当てた。



そっと手を離し、痕が消えているのを確認する。

「鶴丸国永様、無くなりました。」

鶴丸「……。」



彼が立ち上がり、部屋を出て行こうとする。
その直前にぼそりと耳元で呟かれた。



鶴丸「……………色々と、悪かった。ありがとよ。」

「………いえ。」



彼が一瞬だが微笑んだのを確かに見た。

美しい微笑みだと思わず見とれてしまった。






「次の方は…………、加州清光様…。」

清光「チッ、さっさとやってよ。本当は触られたくないんだからさ。」

乱「もうっ、意地悪だなあ。」



乱が言うことにも耳を貸さないようだった。
本当に嫌そうに彼がマフラーをずらす。



「失礼いたします。」

清光「…ッ。」






首に手を当てる瞬間、彼の身体が強張ったのが分かった。

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オーキッド(プロフ) - 輝さん» コメントありがとうございます。もちろん乱は男ですが姉さんと呼ぶ方が乱は喜ぶという設定です。あまり気づいてくださる方がいないのでこのようなコメントは嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年7月23日 9時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 31話で五虎退が乱を"乱姉"と呼んでいましたが乱は男なので乱兄では? (2018年7月11日 13時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - はにーまかろんさん» はにーまかろん様、いつもコメントありがとうございます。刀剣達はまだ全面的に主人公が好きという感情を表に出したくないので刀剣:不器用かつ意地悪vs主人公:気弱、な争い(?)が起こっていく感じですね。これからも宜しくお願いします。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
はにーまかろん(プロフ) - 天下五剣の冷笑は暑い夏にぴったりですね!とまあ冗談はさておき、最新話読ませていただきました。お、これは主人公ちゃんへの独占欲が出ているのか!?刀剣男士の反応の意味を1人1人想像しながら楽しく読んでいます。長文&乱文失礼致しました。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: 578cdfafe4 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - (aya*)W.H)さん» ありがとうございます。どちらのシリーズでも少し重い話が入ります。これからもよろしくお願い致します。 (2016年6月15日 7時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オーキッド | 作成日時:2016年5月26日 6時

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