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暫く黙った後、また彼が口を開いた。



三日月「ただし、俺たちを支配することは認めん。

あくまでお前が今までの審神者と違う質であることを皆が認めただけだ。

お前は俺たちに仕える存在。それを念頭に置いた上で出陣してやっても良い。」


「はい、承知しております。…ありがとうございます。」



深々と頭を下げる。




三日月「………似ているな、俺達は。」

「……はぁ……?」




そう言って、彼が立ち上がった。





三日月「あと、仕事は無理をするな。

無理なら無理と、大変なら大変だと言え。」


「はい………?」


三日月「察しが悪い奴だな。足のことだ。

なぜ今まで言わなかった。
借金のこともだ、あれだけ鶴丸に言われておきながらなぜ反論しない。」


「え、えぇっと………クビになるかと…思いまして……。」





そう言うと三日月は馬鹿な奴だと呆れて溜息をついた。





三日月「……お前のことはクビにはしない。」

「そ、そうでしたか……ありがとうございます。」




これからも家事を頼むと、三日月が言い残して部屋を出て行った。

それと同時に小夜が抱きついてくる。




小夜「……あのね。

短刀の皆も貴女と話したいって言ってるよ。」

「まあ、それは嬉しいですね。」




小夜が目線を隣の部屋へ走らせる。
よく見ると襖の間には隙間が空いていた。



「……私も、是非。お話ししてみたいです。」




襖に向かってそう言うと、更に隙間が空き、何人かの子供達が恐る恐る部屋に入ってきた。




乱「……今まで酷いこととか言って…ごめん。僕、……何も…知らなくて…。」

「いいえ。怒っていませんよ、乱藤四郎様。」

乱「……僕の名前、覚えてくれたんだ。」

「もちろんでございます。全員覚えました。」



乱が嬉しいと言ってはにかんだ。


隣の部屋の奥には一期が静かに佇んでいた。



目が合い、頭を下げられる。





まだ言葉も交わしたことのない刀剣は沢山いるけれども。

どうにもこの神様の巣窟は、私にとって居心地が良いらしい。

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オーキッド(プロフ) - 輝さん» コメントありがとうございます。もちろん乱は男ですが姉さんと呼ぶ方が乱は喜ぶという設定です。あまり気づいてくださる方がいないのでこのようなコメントは嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年7月23日 9時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 31話で五虎退が乱を"乱姉"と呼んでいましたが乱は男なので乱兄では? (2018年7月11日 13時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - はにーまかろんさん» はにーまかろん様、いつもコメントありがとうございます。刀剣達はまだ全面的に主人公が好きという感情を表に出したくないので刀剣:不器用かつ意地悪vs主人公:気弱、な争い(?)が起こっていく感じですね。これからも宜しくお願いします。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
はにーまかろん(プロフ) - 天下五剣の冷笑は暑い夏にぴったりですね!とまあ冗談はさておき、最新話読ませていただきました。お、これは主人公ちゃんへの独占欲が出ているのか!?刀剣男士の反応の意味を1人1人想像しながら楽しく読んでいます。長文&乱文失礼致しました。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: 578cdfafe4 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - (aya*)W.H)さん» ありがとうございます。どちらのシリーズでも少し重い話が入ります。これからもよろしくお願い致します。 (2016年6月15日 7時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オーキッド | 作成日時:2016年5月26日 6時

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