9 ページ11
小狐丸の髪はふさふさでとても艶やかだった。
三日月「ほう？随分と使っておるようだな、女中を。」
小狐丸「存外役に立つぞ。月も使ったらどうだ。」
あいにく頼む事がないと三日月が笑った。
その目はしっかりとこちらを捉えており、背筋が凍るような感覚さえした。
小狐丸「……おい、髪を引っ張るな。」
「も、申し訳ございません…。」
背の違いからついつい長い髪の毛を引っ張ってしまう。
小狐丸「もう少し右もやれ、偏ってるぞ。」
「はい。」
三日月「はっはっは、まるで飼い主のよ「わ、っ。」
位置を変えようとするとバランスが崩れ、どさっと畳の上に倒れてしまった。
？「うわ、どんくさいですね。うわさどおりのにぶさっぷり。」
少年がケラケラと笑う。
確か彼の名前は今剣だ。
「申し訳ありませんっ、小狐丸様…！」
小狐丸「…別に構わんが。……もう少し運動をしたらどうだ、我々の間でも話に出てるぞ。あの女は鈍臭いと。」
「す、すみません…………。」
頭を下げつつ、髪を梳くのを再開する。
暫くすると小狐丸がもう十分だといい、その部屋を後にすることとなった。
後の三条部屋では、Aの話題で持ちきりだった。
石切丸「いやぁ、歩くのも遅くて動きはトロいし、霊力は強くはないし…どうしてこの本丸に彼女が来たのか謎だね。」
岩融「なんというか…鈍いな、色々と。日中の家事を見ていてもなかなか…。雑巾掛けもろくに出来ないようだったぞ、もう追い出して良いんじゃないか。」
今剣「あんなのいてもじゃまですよ！いままでのにくらべたら、むがいってところは、いいとおもいますけど。」
小狐丸「まあ仕事は丁寧だし、雑用を押し付けるにはうってつけだと思うがな。………ん？」
小狐丸が畳の上から何かを拾い上げる。
三日月「なんだその金属の部品は？」
小狐丸「包帯止めか？誰か分からんが使ったなら戻しておけ。」
今剣「なんでぼくのほうみるんですか！ほうたいなんかもうしませんよ！どうせていれしないとなおらないし！」
今剣がぷっと頬を膨らませた。
カツンっとゴミ箱に、金属音が鳴って、それは落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 914人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オーキッド(プロフ) - 輝さん» コメントありがとうございます。もちろん乱は男ですが姉さんと呼ぶ方が乱は喜ぶという設定です。あまり気づいてくださる方がいないのでこのようなコメントは嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年7月23日 9時) (
レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - 31話で五虎退が乱を"乱姉"と呼んでいましたが乱は男なので乱兄では？ (2018年7月11日 13時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - はにーまかろんさん» はにーまかろん様、いつもコメントありがとうございます。刀剣達はまだ全面的に主人公が好きという感情を表に出したくないので刀剣:不器用かつ意地悪vs主人公:気弱、な争い(?)が起こっていく感じですね。これからも宜しくお願いします。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
はにーまかろん(プロフ) - 天下五剣の冷笑は暑い夏にぴったりですね！とまあ冗談はさておき、最新話読ませていただきました。お、これは主人公ちゃんへの独占欲が出ているのか！？刀剣男士の反応の意味を１人１人想像しながら楽しく読んでいます。長文＆乱文失礼致しました。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: 578cdfafe4 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - (aya*)W.H)さん» ありがとうございます。どちらのシリーズでも少し重い話が入ります。これからもよろしくお願い致します。 (2016年6月15日 7時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オーキッド
| 作成日時：2016年5月26日 6時
