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待ち合わせに指定されたのは人気のない小さな公園。
街の中心からほど遠いそこは暗闇に包まれ静まりかえっていた。

公園のベンチに腰掛け、スマートフォンを取り出したが約束の時刻までまだ少しあるようだった。

頭上では時たまに烏が旋回しカァと呟くような鳴き声を発している。アパート近くの公園と比べると治安はいいが人気のなさに一抹の不安を覚える。なんとなく落ち着かないでいると、とさりと隣に何かが落ちてきた。


「…………え?」

「カァ。」


街頭に照らされたそこにいるのは一羽の烏だった。私と烏との間はわずか1メートルの距離もない。首をコテンと傾げてこちらを見つめる烏はあまりにも人馴れしているように見えた。烏と触れ合ったことはないが、こうして近くて見ると案外可愛いものだ。

烏は私の手を嗅ぐような仕草を見せ、その場に足を折りたたんで座り込んだ。






「クァ。」

「…ふふ、可愛い烏ね。」

「ありがとう。」

「へ……、っえ、あ、あなた喋れるの…?」

「………ックク、面白いことを言うな、貴女は。」



ハスキーな声が烏から聞こえてきた。烏がはてと言った顔で毛繕いを始める。その時不意に背後からの気配を感じた。


「っ、ひ」

勢いよく立ち上がり背後の気配から身を遠ざけようとした瞬間ぐらりと視界が揺れた。



「…おっと、すまない。驚かせてしまったか?」


力強く私の腕を掴み、元の体勢に引き戻してくれたのは、今夜から仕えることとなる新たなご主人様だった。


「ブ、ブラッドハウンド様…!申し訳ございません、全く気配に気づかず失礼な真似をいたしました。」

「…いや、気配を消すのが癖になっているこちらも悪い。貴女が…A、か?」

「はい。本日から貴方様の身の回りのお世話を仰せつかりました、A・アルスリアと申します。よろしくお願いいたします。」





頭を下げるとこちらこそよろしく、と手を差し出された。革の手袋に包まれた手は思いの外がっしりとしていた。その人はApexゲームの中継で見る姿よりも随分とラフな格好をしており、簡易的なマスクやゴーグルをつけているものの、兜はなくシャツに革のジャケットを着ていた。


「こんな時間に女性1人で待たせるなど配慮が欠けていたな、すまなかった。もう貴女の部屋は用意してある。行こう。」


スタスタと歩き始めたその人の肩には先ほどの烏が慣れた様子で乗っていた。

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ぬぬぬ! - はじめまして!初めて見ましたが、すっごい最高の作品です!メイドちゃんの話し方も好みすぎです(т-т)更新楽しみにしております(⑉• •⑉) (3月3日 21時) (レス) @page9 id: 17cd4fa4af (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして!初めて拝見させていただきました。ブラハとの絡みがめちゃめちゃ良いです(;_;)更新楽しみにしております...! (2022年2月21日 13時) (レス) @page9 id: 405a804c2e (このIDを非表示/違反報告)
アリアム(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品ですね!私もブラッドハウンドが大好きで、でもなかなか夢小説が少なくて自分でも自己満で書いている身ですが、貴方様の作品はとても心惹かれる物があります。これからも楽しみにしております。主審の御加護を。 (2021年9月20日 22時) (レス) id: 1b2daee16c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オーキッド | 作成日時:2019年7月28日 10時

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