track27 ページ28
コツコツコツコツと忙しないヒールの音が青い空にこだまする。
左馬刻から電話をもらってかなり時間が経ってしまっている。
募る恐怖を胸にしまい込みAはヨコハマへ足早に向かった。
一旦家へ帰ってパソコンを持ってきたため電話を貰ってから2時間は経過してしまった。
ブチギレている左馬刻の顔を思い浮かべると身震いがした。
桐の門を叩くとすぐに人が出てきた。
男「宝生さん、お勤めご苦労様です！アニキがお待ちかねですよ！！」
「お、遅れました……はぁ、っ、」
男「あれ、今日はスーツじゃないんですね？」
「あー……今日は本当はオフでしたからね。」
男「それはお気の毒に…。」
ご苦労様ですと頭を下げる男たちに会釈しつつ息切れする胸を押さえ、いつもの部屋へと向かった。
「……遅れました、宝生です。失礼しま
左馬刻「おっせぇんだよクソ女ァ！！！！」
案の定、あの怒号が障子を吹っ飛ばす勢いで飛んできた。
理鶯「おい左馬刻、急に呼び出したのはこちらだ。責め立てる道理はないだろう。…すまないなA、来てくれて大変感謝する。」
ものすごい形相の左馬刻を宥め理鶯が柔らかく微笑んだ。今日はあの悪徳警官はいないみたいだった。
理鶯「今日は…私服なのだな。スーツも似合っていたがそういう明るい色もよく似合う。」
「あ、ありがとうございます。」
理鶯が黄色いスカートをちらりと見て頷いた。
「それで今日は…なんのお仕事でしょう？」
左馬刻「…俺じゃねえ。理鶯からの依頼だ。」
理鶯「ヨコハマの港に来る舟の予定を調べてほしいのだ。積荷の情報も掴めればなお良い。」
「それは構いませんが……。」
理鶯「報酬ならもちろん払う。貴殿が決めてくれて構わないぞ。」
なんのために来航情報を求めているのか私の知る由ではない。依頼ならそれに応えるまでだ。
左馬刻からの依頼よりはずっと簡単で調査はすぐ終わり、1時間後にはレポートが出来上がった。
理鶯「すごいな、こんなにも早くわかるとは…。報酬はいくら出せばいい？」
「いえ、これぐらいは…。一万円で結構ですよ。」
理鶯「…承知した。」
理鶯が頷き、財布から3万円を取り出して握らせてきた。
「ちょ、多いですよ！」
理鶯「小官にとってはこれだけ価値がある情報なのだ。受け取ってくれ。」
理鶯がありがとうと微笑んだ。
純粋で無垢な瞳には弱い。申し訳なさを感じながらAは3万円を受け取った。
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千(プロフ) - オーキッドさんなりのこだわりが感じられ中々定まらないのはそれだけオーキッドさんの小説への思いからだと思います。生意気な事書いてすみません。でもそれだけ大切なんだと私は思いました。感想だけで申し訳ありません (2019年5月20日 21時) (
レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - こちらこそ温かいコメントありがとうございます。無理せず更新頑張って下さい。楽しみにしてます。又こちらこそよろしくお願いします。夜遅くに失礼致しました (2019年5月19日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます、お優しい言葉かけに感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - この後凄く気になります。楽しみしています。無理しないでくださいね。更新楽しみに待ってます。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 夜桜 奏さん» コメントありがとうございます。素敵なお話だなんて嬉しいお言葉、感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オーキッド
| 作成日時：2018年12月2日 23時
