【ヒプマイ】the twilight days【逆ハー】

track24 ページ25

＊幻太郎サイド＊

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乱数と自分の仕事が一区切りついたということで息抜きに映画でも借りて見ようと乱数に事務所に呼び出された時のことだった。


先日売り出されたばかりの自分の新作を読み返し次作の構想を練っていたところ女性とぶつかってしまった。



慌てて落ちた本をハンカチで拭く女性は、会社員と思える服装でもない。自分と同じようなクリエイター系の仕事か、休日だろうかと予想する。


けたたましく騒ぎながら迎えに来た帝統に急かされ、後日連絡する旨を伝えてからその場を後にした。

汚れた本を片手に、名刺をもう片方の手にし帝統とともに事務所へ急ぐ。


帝統「なぁ、あいつ知り合いなのか？」

幻太郎「いいえ、生き別れになった妹ですよ。」

帝統「えっ……？！！！って、騙されねーぞ！あ、そのハンカチまきあげたのか？」

幻太郎「…ハンカチ欲しさにそんなことするわけないでしょう。巻き上げるなんて物騒なこと言わないでいただきたいものです。
ぶつかってしまって彼女の持っていた飲み物が小生の本にかかり、それを拭き取って汚させてしまったので洗ってお返しするんですよ」

帝統「へー。それは嘘じゃなさそうだな。てっきり俺はお前の方が女のこと口説いてるのかと思ったぜ。」

幻太郎「……はぁ？」



思わず地が出てしまった。



帝統「いや、いつもお前女に興味なさそうだし。仲良く話してる風に見えたんだよ。」

幻太郎「………まあ……中王区で必要以上に黄色い声をかけられるよりは…楽しかったですね。」




シブヤディビジョン代表ということもあり、中王区に入るといつも女性たちに囲まれていた。
サイン会などできゃいきゃいと言われるのには慣れていたが女性と話すことにいつしか疲れを見だしていたのは確かだった。



乱数のいる事務所のドアを開けると、軽快な足音と共にむくれ顔の乱数が顔を出した。


乱数「ちょっとぉ〜、幻太郎！おっそいじゃん！」

帝統「乱数、こいつ女引っ掛けて遊んでたんだぜ。」

乱数「えっ！？？どんなオネーサン？！超気になる〜！」

幻太郎「帝統、勝手なこと言うと臓器売り飛ばしますよ。」




ぎゃーぎゃーと楽しそうに騒ぐ乱数と帝統をよそに、手帳の中にそっと名刺をしまった。



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＊幻太郎サイド…end＊

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