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?「貴女が例のエンジニアだったのか。俺は毒島メイソン理鶯という。呼びにくいだろうから理鶯と呼んでくれて構わない。貴女の名前を伺いたいのだが…。」
「はじめまして。私、宝生Aと申します。お好きなようにお呼びください。」
やはりこの軍人らしき人物はハーフであった。興味深そうに機材の準備をする様をまじまじと見つめられ、なんとなくやりにくさを感じた。
銃兎「理鶯、あんまりジロジロ見ては彼女もやりにくいというものですよ。」
理鶯「む。すまない。何をしているのか気になってしまってな。」
「ネット環境を少し強力にしています。最初にやっておくとスムーズに作業が捗りますから。」
理鶯「なるほど。下準備は料理においてももっとも重要だからな。よく分かるぞ。」
「りょ、料理?料理人の方でしたか?」
理鶯「小官はヨコハマの森でサバイバル生活をしている。料理は生きるために必要だ。」
「えっと…サバイバル……?」
この都市に似つかわしくない言葉に目をパチクリさせると銃兎が苦笑しながらフォローを入れてくれた。
銃兎「理鶯は元軍人でしてね。軍の復活をサバイバル生活をしながら待っているのですよ。」
「そうでしたか。…復活すると良いですね。」
そういうと理鶯が少し驚いたように目を見開いた。
「…?なにか?」
理鶯「女性にそのように言われたのは初めてだ。少し驚いてしまっただけだ。」
「……なにも女全員が今の政治に不満を持っていないわけではないと思いますが…。」
銃兎「というと、貴女は不満をお持ちということですか?」
「……どうでしょうね。」
ネット設備が整い、ようやく作業が始められるようになった。
組織の概要について知ろうとファイルを読み返す。
銃兎「そういえば…、宝生さんは中王区の仕事を一切受けない、という話を耳にしましたが…本当ですか?」
「……ええ、そうですが。…それが何か?」
画面から目を離し、銃兎の瞳を真っ直ぐに見返す。
やはりこの警官は好きになれない。爽やかな笑みの後ろに何かが隠れているような気がしてならなかった。今だって、目の奥でどす黒いものが渦巻いているように見える。
左馬刻「……いいじゃねーか。クソ女どもの仕事は受けないってだけだろ、銃兎。俺の仕事に支障はきたさないならどうでもいい。」
銃兎「左馬刻……。」
銃兎が何か言いたげに左馬刻を見つめたが彼は我関せずで茶を口に運んだ。
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千(プロフ) - オーキッドさんなりのこだわりが感じられ中々定まらないのはそれだけオーキッドさんの小説への思いからだと思います。生意気な事書いてすみません。でもそれだけ大切なんだと私は思いました。感想だけで申し訳ありません (2019年5月20日 21時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - こちらこそ温かいコメントありがとうございます。無理せず更新頑張って下さい。楽しみにしてます。又こちらこそよろしくお願いします。夜遅くに失礼致しました (2019年5月19日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます、お優しい言葉かけに感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - この後凄く気になります。楽しみしています。無理しないでくださいね。更新楽しみに待ってます。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 夜桜 奏さん» コメントありがとうございます。素敵なお話だなんて嬉しいお言葉、感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オーキッド | 作成日時:2018年12月2日 23時