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もはや酔いは完全に覚めてしまった。
脳も体もしっかりはっきり意識を保っている。
明日の為に寝なければとは思いつつ、扉の前から動くことは出来なかった。
聞き取れないのもあるけど大体の内容は聞こえる。
わざと聞かせてるんじゃないかと思うほど。
「ヒカルさん。俺らには分かりやすいすけど、肝心のAさんに伝わってないんすよ」
『あいつがくそ鈍いからな』
「違うっす」
「ヒカルさん女の子に対して公言してることが多すぎます。
それで何かしてもAさん大勢のうちの1人だとしか思えないんじゃないすか」
泣きそうになった。
あたしが思うところをちゃんとロケマサはわかってる。
多分、元々ファンだったが故にそういう部分が分かるんだと思う。
子犬だと思ってたのにいつの間にか狼へ成長していた。
男なんだな、ロケマサも。
「そういう意味では明日の企画めっちゃ良いですね」
『……そやな』
「じゃあ俺編集終わったんで寝ます、おやすみなさい」
あ、まずい。
慌てて体を立ち上がらせて布団へ滑り込む。
潜る布団が違うとはいえ寝る場所は同じだから、
もうすぐこっちに来てしまうということだ。
そういえばさっきのロケマサの言葉で思い出したが明日の企画内容をあたしは知らない。
あの様子ならネクステは全員知ってそうだし、まえっさんも当然知ってるだろう。
捧さんも…知ってるだろうな。
知らないのが1人だけなら間違いなく何かしらあたしに関する企画だ。
そういう意味ではいい企画と言っていた。
…どういう意味?
ゆっくり気を遣うように扉が開いて、足音が近づいてくる。
静かにベッドに乗ったのが分かった。
「…大変だな、Aさんも」
そう、呟くのが聞こえた。
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яeu(プロフ) - セティさん» ありがとうございます。ものすごくモチベーションになりますm(_ _)m 頑張りますね! (2021年3月29日 21時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしていますので、無理なく更新していただけたら嬉しいです。 (2021年3月29日 15時) (レス) id: 1fbb8090be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:яeu | 作成日時:2021年3月9日 21時