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硬くて薄い体が徐々に離れていく。
一体どんな顔をすればいいのかと戸惑っているうちに、電気が落とされて真っ暗になる。
立ち上がったヒカルはそのまま間接照明をつけて、
再びあたしの前に座った。
そして一瞬の隙に。
またもやふわりとヒカルがあたしを覆う。
ヒカルの唇が、あたしの唇を。
「ど、どういう…えなに…どういうこと?」
自慢じゃないが別に男性経験が少なかったわけじゃない。
普通に何人かと交際し、男というものは知っているつもり。
でも、今回は本当に何も理解が追いつかない。
『どういうも何もこういうことやけど』
全くもって平然としている。
あたしがおかしいのかと思うくらいに。
「え待って…全然、全然分からないぞ…」
『お前まじかよ、俺にここまでさせてまだ求めるん?』
「いや求めるって…だってヒカル女ならいっぱい居るじゃん何で…」
そう、会ったことはまだないが家に出入りするような女はこの男に何人とついている。
一夫多妻制がいいと公言するような男だから、各女性もそれを受け入れて自分の役目を果たしていることだろう。
ということは。
なにか?
あたしにそのうちの1人になれというのか?
なら断ろう。
あたしは1人を愛して1人に愛されたい。
そもそもヒカルからあたしに女としての褒め言葉なんか聞いたことがない。
有り得ない。
「…やっぱ帰るね」
頭がごちゃごちゃだ。
こんな状態では何も考えられない。
『帰らせんのは無理。危ないから』
「ならロケマサに泊めてもらうよ」
そう言うと、少し表情が沈んだ気がした。
でもそれ以上何も言ってこなかったから、携帯を取ってロケマサに電話をかける。
ヒカルはその間ずっと、大人しかった。
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яeu(プロフ) - セティさん» ありがとうございます。ものすごくモチベーションになりますm(_ _)m 頑張りますね! (2021年3月29日 21時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしていますので、無理なく更新していただけたら嬉しいです。 (2021年3月29日 15時) (レス) id: 1fbb8090be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:яeu | 作成日時:2021年3月9日 21時