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〈No side〉
少し時間を遡って······パカズキッチン。
テーブルには、ところ狭しと料理が並んでいた。
「今日は豪華ですね!」
「うるさいわよバカ。別にそうでもないでしょ」
「カリンさんお金持ちですか」
「黙って」
はしゃぐアカツキを始めとして、次々と八人が座っていく。
「霧ヶ野がいないぞ」
「あ〜、キッリン用事があるとか言ってたにゃ」
全員が着席しアカツキが待ちきれないとでも言うように
ナイフとフォークを持った瞬間。
「みなさま、グッドイーブニング!」
登場するパカ。飛来するナイフとフォーク。
「おや、なんとも熱烈なご歓迎」
化け物なのは変わり無くそれらはキャッチされたが。
「ですがみなさま、食器を粗末にしてはいけませんよ」
「うっせー! なにしに来やがった家畜野郎!」
アンヤが食って掛かり、
その斜め向かいでは予備のナイフとフォークを取り出すザクロの姿がある。
「もちろん、今宵のパーティーのためでございます!」
「テンションたけーのうぜぇ。つかパーティーってなんだよ」
フフフ······と気持ちの悪い笑みを浮かべるパカ。
そして手元にある上から吊られた紐を引っ張った。
「五百万ビュー達成パーティーでございます!」
割れたくす玉、舞う紙吹雪、
降りてくる五百万ビュー達成! の文字が書かれた垂れ幕。
「パカさん食べていいですか」
「今言いますか入出様。どうぞ召し上がれ」
「いただきます!」
一瞬しらけたこの場だったが、マイペースすぎるアカツキの発言に
興をそがれたパカを見届けて全員が料理に手をつける。
「そうそう、今夜はピアノ演奏もございます。
存分にお楽しみください」
そう言って、くつくつと笑いながらパカは去っていった。
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作者名:花藺 | 作成日時:2017年11月8日 19時