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ところで、とでも言うように、ゲノムタワーに向かう足を止めたヒミコ。
同じように、アカツキも足を止める。
「あの···入出さん」
「はい?」
ジーっとアカツキの顔を眺めてからヒミコは口を開いた。
「そのほっぺた···どうしたんですか?」
問われたアカツキは気まずそうに目を泳がせる。
なるほど、確かにアカツキの左の頬は少し赤らんでいた。
そして先ほどまで頭の上に乗っていたパカメラを手に取り、
そのモフモフにうずめるようにして顔を隠した。
そんな彼の様子を見てヒミコは一つの予測を口にする。
「···ひょっとして駆堂さんですか?」
「·········」
無言。
これこそ無言は肯定、ということになるだろう。
普段の彼らの仲······主にアカツキが鬱陶しがられながらも
ちょっかいをかける、という行動パターンを知っているヒミコは
疑問に首を傾げながら再度問いかけた。
「ケンカですか···?」
「うーん。
ケンカ···なんですかね」
ゲノムタワーに顔を向けて確認のように呟いて答える。
「ちょっと絶交されちゃいまして···」
······ちょっとで済む話なのだろうか。
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作者名:花藺 | 作成日時:2017年11月8日 19時