【あんスタ】俺の幼馴染みは腹黒王子【羽風薫】 (ページ5)

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『ふぁあ………』

目を開けて欠伸を一つ。立ち上がって目眩が収まるのを待ってから洗面所へ行き顔を洗う。

ここまでが俺が朝起きてからの一連の作業。
俺は毎日貧血気味だから、座っていたところから立ち上がっただけでも目眩がする。
あの吸血鬼兄弟みたいに、血ぃ吸えばいいのかもな。

『あー……学校か』

制服着替えんのもめんどくせぇし怠い。昨日ライブしたからか。

まっ、しゃーねーよなァ。シャツの上から灰色のカーディガンを着る。

･

案の定、学校の前には数多くの女子が群がっている。全て俺のファン、と思うと少しは許せなくはないか。

対応がめんどくせぇけど。こちとら寝起きなんだよ。朝からキャーキャーたっかい声を聞かせられるこっちの身にもなりやがれ。
頭がガンガンする。

いくらこの雌豚がとか思っても、表面上は爽やか王子の神対応。サインや握手を求められたらするし、笑顔も欠かさない。

アイドルの鏡？当たり前だろ、この俺なんだから。

しっかし、女どももよく飽きねェよな、こんな俺に付いてきてて。

隙を見て裏口に回り込む。付いてきてんのは……3人か？
車用のミラーで確認すると、ぐるりとそのへんを意味もなく歩く。暫くしたら諦めるだろ。

ゆったり歩いていると、いつの間にか全員いなくなって……いや、あと1人か。
しつこいなァ……。

急に、曲がろうとした角から人が飛び出してくる。誰だよ危ねェ。俺に危害がくるだろうが。

『わっ、スバルくん。大丈夫……？』

……こいつかよ。内心で舌打ち。
流石に1人とはいえファンの前で横柄な態度取るわけにはいかねェからな。

スバルはというと、数回パチパチと瞬きした後に勝手に納得したのか元気よく頷く。

まあ正しい選択だよな。
ここで「あれっ！？いつもと違う！！」みてェなこと言い出したらどうしてやろうかと思ったからなァ。

ま、それもそれで楽しそうだけどな。