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「じゃあお前ら、いくぞ!!」
おー、という掛け声に合わせて腕を上げる。
俺の今の衣装は、緑色のベストの上から黒とグレーのジャケット、頭には黒の中折れ帽。
まァ、少なくともかわいさが売りのRa*bitsには似つかわしくねェよな。
これは今日発表することに関係してくるんだが。
「…ほんとにA先輩、行っちゃうんですね……」
『あはは、創くん。俺ともう一緒にライブできなくて寂しい?』
冗談のつもりで軽く言った言葉。
それでも、創は首を何度も縦に振る。
「俺も、Aのにーちゃんと一緒に、もっとライブしたかったんだぜ!!」
「別に、俺だってあんたのこと嫌いじゃなかったですし、ライブだって…」
『……みんな、ありがと。なんか照れるなあ』
えへへ、と照れ笑いを浮かべる。これは俺のキャラ云々で浮かべているものではなく、本心からのものだ。
ここにスタッフがいて本当に良かったと思う。これが、俺の「表面」故にでるものだということにできるから。
赤くなった顔を、キャラのせいにできるから。
本当に俺は後輩に弱いということを思い知らされる。
『…じゃあ、これは俺がRa*bitsのゲストになる、最後のライブだから。
本気出してくよー!!』
おーっ!! と、最初のよりも何割も力の入った掛け声があがる。
「じゃあ、Aは俺が合図すりゅからな」
『うん。よろしくね〜♪』
緊張して噛み始めている兎。ふんわりと微笑んで、顔の横で手を振る。
「Ra*bitsの皆さん、お願いしまーす」
聞こえてくるスタッフの声。4人の顔も緊張したように引き締まる。
それでも兎の顔に余裕が見えるのは、たくさんのライブを乗り越えてきたからだろうなァ。
「人形」として宗の芸術を手助けしてきたなずな。
喋ることすら制限され、一時は感情が欠落してどうなるかと思ったが。
今は、3人の子ウサギに囲まれて、しっかりと笑っている。話している。
皇帝に押しつぶされても、しっかりとひたむきに立っている。
……頑張れよ、お前ら。その願いを込めて舞台に上がっていく4人を見つめる。
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果凛(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» うん、お願いしまーす! (2017年10月24日 15時) (レス) id: 7fadf07f5e (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» 閲覧パスもボードで送った方がいいよね?(多分)このコメ見たら教えて送るから! (2017年10月24日 11時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
果凛(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» ちゃんと送れてたよー! ありがとう! (2017年10月24日 7時) (レス) id: 7fadf07f5e (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» ボードで一応送ったけどちゃんと送れてるかわからないからもう一回言っとくね?パスワード付の作品作ったからそっちで話せないかな? (2017年10月24日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» あっじゃあ私もだわ…← (2017年10月24日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果凛 | 作成日時:2017年9月16日 0時