朔間さん家の事情(10) ページ12
『よ、兄者いるか〜？』
ガチャ、と扉を開けると、何か黒いものが飛びついてくる。
『…は？なんだこれ。』
「Aや〜、我輩、保健室に運ばれたと聞いて心配しとったんじゃよ〜」
『うんそんなんで俺が倒れるほどひ弱じゃねーし鬱陶しいし暑苦しいからとりあえず離れて』
ぐいぐいといつものように体を離すと、棺桶の上に座る。
『さてと…本題に入るぞ。「確認する」って言ってたよな？具体的にはどうするつもりだ？』
「行った通り、そのまんまの意味じゃ。
あやつらに素質があるかどうか、この目で見て判断する。」
紅い目がすう、と細められる。
獲物を見定めるような目。
『うーん…それはいいんだけどね？
あれはどうした？』
あれ、と言って端の方に寄せられているわんちゃんを指す。縛られて、猿轡まで噛まされている。
1年の双子もご丁寧に並んで座っている。
「ちょっとばかしお仕置きをな♪」
「あっ、もうそろそろ来そう！A先輩、棺桶の中に！」
早く早く、と双子に急かされて棺桶の中に押し込まれる。
…ん、エアコン？パソコン？冷蔵庫？
快適かよっ！！！
棺桶の中を物色していると、扉が荒々しく開く音が聞こえる。
「ちょっと、A先輩がここにいるって聞いたんだけど？」
その声は…スバルか。
何しに来たんだよ、ここに来るとか自ら猫の巣穴に飛び込むネズミみたいなもんなのに。
…って、俺か。だから隠れてんだよな。
「ふむ、来たか。」
「ねえ！ A先輩、どこに隠したの！？」
…え、なんでスバルそんな焦ってんの？
なんて伝えたんだよ。
「お主ら、『革命』を起こそうとしておるらしいな？」
「…だから何」
いかにも今から飛びつきそうな態度。
やめてー、後輩の教育について後で兄者に語られるの嫌だよー。
「まあ、そう怒るでない。Aは無事じゃからのう…♪」
それよりも、と本題を話しているんだろうけど、棺桶の中では如何せん音がこもって聞こえにくい。
何を話しているのか全く聞こえない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 223人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
果凛(プロフ) - Knightsを護る騎士でいたかったさん» 羨ましいですよね…。これからもいちゃつかせていきますよ！ (2017年8月22日 21時) (
レス) id: 6ef07a5780 (このIDを非表示/違反報告)
Knightsを護る騎士でいたかった - 果凛さん» 夢主君そこ変われ←←← (2017年8月21日 10時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
果凛(プロフ) - ちょこれーとさん» コメントありがとうございます！ご期待に沿えるよう、頑張りますね♪ (2017年8月14日 17時) (レス) id: 6ef07a5780 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - おもしろいです!更新頑張ってください！(*^-^*) (2017年8月14日 17時) (レス) id: f8ef116a38 (このIDを非表示/違反報告)
果凛(プロフ) - Knights を護る騎士でいたかったさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると励みになります♪出来るだけ早く更新できるようにしますね！ (2017年8月13日 22時) (レス) id: 6ef07a5780 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：果凛 | 作成日時：2017年8月13日 7時
