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有無を言わせないその様子に女はごくりと唾を飲み込み、そしてはくはくと震える唇で『わ、かりました』と頷いた。
それをみてグルッペンは満足気に女の頭を撫でるとスマホを取り出し、何処かへ電話を掛けようとしている。
「良い子だ、取り敢えず血の後処理は俺の知り合いに任せよう。指名手配なんてされたら表に出る時大変だからな、勤め先教えてくれ」
女は慌てて勤めている会社を教え、グルッペンはそれを聞くとどこかへ電話を掛け始めていた。
そして女はこの時、改めてグルッペンを頭のてっぺんから爪先まで観察する。
本当に何度見てもこの山にはミスマッチな容姿だ。
しかしそれがまた余計に不気味さを際立たせ彼女に恐怖心を味合わせているのだろう。
「面白いモノが手に入ったんだ、後でお前にも会わせてやるさ。ああ、じゃあ」
完全にモノ扱いなのは気に食わないが死にたくはない上に、逃げ切れる自信もない女は黙ってそれを聞いている。
そしてグルッペンは電話は切ると女に「…いつまで座ってるつもりだ？」と腕を引いて強引に立ち上がらせた。
それから二人は山を降りて行く。
歩いて行く中で時折木の枝を踏みパキパキという自然の折れる音がする。
女はふんふんと鼻歌交じりに歩くグルッペンを目の前にし、本当にこのままついて行っても大丈夫なのかと今更心配になっていた。
暫く歩いていると、手を差し伸べてくるグルッペン。手を繋げという意味なのだろう、女はドギマギとぎこちなくその手を握る。
すると何故かその反応を見たグルッペンがくつくつと喉元を鳴らし笑っていた。
「……お前、処女だろ」
『はァ！？』
思わず素っ頓狂な声が出してしまう女にグルッペンはぐっと身体を引き寄せ、密着させた。
「A」
教えていない筈の名前を呼ぶグルッペンにAは思わず身を捩る。
しかしAは完全に抑え込まれているせいか、全く身動きが出来ず、思わず魅入られるようなその目を見据える他なかった。
「俺が今から連れていく裏世界はお前にどんな化学反応を起こすか分からない。だがきっと裏世界を知ったお前は今よりももっといい女になるだろう」
ちゅ、と唇に落とされる柔らかい感触と共にちくりとした痛みがAの首に走った。
ぁ、と小さな声を漏らすAの頬をグルッペンは優しく撫でると、
「暫く眠っておいてくれ、着いたら起こす。蛾が来た」と耳元で囁く。
そしてAはだらんと脱力し、眠った。
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ui - めちゃくちゃ好きです！、とにかくすごかったです、語彙力なくてごめんなさいm(_ _;)mえっと…応援しています!頑張ってください! (2022年7月13日 21時) (
レス) @page10 id: ae35af7cd1 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル飴 - こういうのは大好き！更新頑張ってください (2022年4月13日 0時) (レス) @page10 id: 5e9880aea0 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - うわぁ〜〜これめちゃくちゃ好きやわ,,,,,,!! (2021年11月1日 22時) (レス) @page10 id: d0265fec18 (このIDを非表示/違反報告)
さと - ちょ、めっちゃすきです、、、更新頑張ってください！！！ (2021年1月9日 18時) (レス) id: f785b32025 (このIDを非表示/違反報告)
ここま - 更新頑張ってください！応援しています！ (2020年9月20日 16時) (レス) id: 327e578441 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毒魅亭 みみ子 | 作成日時：2020年3月10日 20時
