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───……そこは自 殺の名所として有名な山の奥深く。
一人の女がずる、ずると大きな何かを引きずりながらブツブツと不気味に呟いている。
動物の唸り声、木々の揺れる音はより一層女の不気味さを際立たせた。
『最悪だ、最悪……』
しかしよく見るとどうだろう。
女の顔は青ざめ、焦りに満ちているではないか。
そして土の柔らかそうな所を見つけるなり、女は必死に持ってきたスコップで土を掘り進める。
『私、本当に殺しちゃったんだ……』
そう実はこの女、山奥に死体を捨てに来ていたのだ。
その顔からは "やってはいけないことをやってしまった罪悪感" で満ちていて、掘り進める手は休まることなく次第に早まっていく。
女は無心にザクザクと掘り進めていると石のようなものにスコップがガツンと当たる。
首を傾げ、暗闇の中を懐中電灯で照らしながら目を凝らすとそれは先に埋められていた白骨死体だった。
ぱちくり、と大きく瞬きをし女は口元をひくつかせ、自分が引きずってきた死体に目を向ける。
『……よ、善かったですね。友達もいますよ』
女の脳みそは当然と正常な判断が出来ていなかった。
それからある程度の穴を作ると、自身の引きずってきた死体に手を合わせ始めた。
『絶対に恨まないで下さい。夢にも出て来ないで下さい。…いや、でもそもそもレ×プしようとしてきた課長が悪いんですよ。ああ…いや、違うんです課長！ どうか安らかにお眠り下さいお願いします。お化けとかそういう類い本当に無理なんで恨めしく思っても見逃して下さい。土下座するんで許してください……南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏』
死人に口なし、女が課長と呼ぶ死体は当たり前にも喋る事はなかった。
それから女は死体の足を持ち上げるとずるずると穴に引きずり落とそうとするが、死体が木の幹に引っかかって上手く穴に落とせないようだ。
女がなかなか落ちない死体に『重い』と唸っている。
突然、山奥で掛けられるはずもない声を掛けられた。
「手伝ってやろうか」
ぱっ、と輝く女の顔。
振り返れば黒スーツを着た金髪の男が立っていて、女は『え、いいんですか？すみません』と助かったとばかりにホッと溜め息をつく。
『……あ、れ…？』
しかし女はこの時
此処は自 殺の名所として有名な山の "奥深く" 。
普通の人間がそこにいる訳なんてあるはずもなく、未だににっこりと笑いかけるその男に戦慄した。
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ui - めちゃくちゃ好きです！、とにかくすごかったです、語彙力なくてごめんなさいm(_ _;)mえっと…応援しています!頑張ってください! (2022年7月13日 21時) (
レス) @page10 id: ae35af7cd1 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル飴 - こういうのは大好き！更新頑張ってください (2022年4月13日 0時) (レス) @page10 id: 5e9880aea0 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - うわぁ〜〜これめちゃくちゃ好きやわ,,,,,,!! (2021年11月1日 22時) (レス) @page10 id: d0265fec18 (このIDを非表示/違反報告)
さと - ちょ、めっちゃすきです、、、更新頑張ってください！！！ (2021年1月9日 18時) (レス) id: f785b32025 (このIDを非表示/違反報告)
ここま - 更新頑張ってください！応援しています！ (2020年9月20日 16時) (レス) id: 327e578441 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毒魅亭 みみ子 | 作成日時：2020年3月10日 20時
