一期「貴方とこのままずっと一緒に」 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:24 hit、合計:1,541 hit

目覚めページ8

Aside

火の玉を両手で救うように持ち、加州の方へ近付けた
火傷で身体が赤い加州があまりにも痛々しくて、顔を歪めた

『これで加州が、戻ってきますように…』

そんな痛々しい加州の胸板に、押し込むように火の玉を当てた
それは溶けるように加州の身体へと吸い込まれていった

この場にいる全員が固唾を呑んで見守っている

加州「───ッ！、ハッ！ッ、ゲホッゲホッ」
全員『！』

加州が息を吹き返した
身体が淡く光っている
加州が混乱したようにこちらを見る

加州「あ、あるじ…？」

加州を包む淡い光は加州の周りをくるりと1周し、ゆっくりと加州の内側へと入って消えていった
火傷の傷も、もう無い

『加州…良かった…帰ってきた…』

目頭が熱くなり、思わずその場で顔を覆った

大和守「清光ーーっ！！」
加州「は！？」

安定が加州に向かってダッシュし、飛びつく
起き上がる最中だった加州は、安定によってもう一度畳に寝かされる羽目になった

加州「ちょっと安定！抱きつくなら抱きつくって言え…よ…」
大和守「…う、んっ、…ぐずっ…ひっく…」
加州「え…なに、泣いてんの？」
大和守「お前のせいで泣いてるんだろ！？なんで引くんだよ！」
加州「だってお前そういうキャラじゃないし」
大和守「うるさいなあ！戻ってきてくれて嬉しいって思って泣いてんじゃん…！」
加州「！」
大和守「…沖田くんの時みたいに、加州が死ななくて良かった…ぐすっ」

加州は左手を一瞬だけ宙に迷わせたが、少し照れたように左手で安定を撫でた
もう身体は痛くないようだ

乱が安定の後ろからそっと加州に近寄る

乱「…加州」
加州「乱。…心配、かけた？」
乱「…ちょっとだけね。でも僕は信じてたから…加州は戻ってくる…って…ぐすっ…」
加州「み、乱まで…」

加州は何か考えたようだったが、それも一瞬のことで
直ぐに笑って乱に手を差し出した

加州「乱もおいで」

その声で、乱も加州に飛びついてわんわんと泣き始めた

鶴丸1「良かったなぁ」
一期「えぇ、本当に」

加州はどこかつかえが取れたような顔をして笑っていた