一期「貴方とこのままずっと一緒に」 (ページ7)

今日:20 hit、昨日:24 hit、合計:1,560 hit

返還ページ7

Aside

『…悪しき霊力が消えた…？』

遠くの方から襖越しにドタバタと足音が聞こえてくる
離に近付いてくる気配の中に、愛しい人の気配を感じて、緊張を緩めた

一期「主、入ってもよろしいですか？」
『千音が寝ているので静かにお願いします』

襖が開かれた
一期、乱、鶴丸、安定がそこに立っていた
4人の誇らしげな顔に、勝ったのだと直感し安堵した

『…ごめんなさい、本丸の主たる私が戦いにも出ずに…』

申し訳なさから彼らの目を見れずに言った
すると、気付いたら鶴丸が近くまで来ていて、頬に手を添えられた

鶴丸1「おいおい勘弁してくれ。俺たちを、産後2ヶ月とそこらの女性を戦場に駆り出す糞野郎にするつもりか？あんたは大事な人だからな。危険な場所に行くのは俺たちの役割なわけで」
一期「私の目の前で妻を口説くとは良い度胸してますな」
鶴丸1「悪かった一期一振。謝るから俺の肩が逝く前にその手を離し痛ててててててて」
大和守「主、清光の魂持ってきたよ」
『私が言うことでもないのかもしれませんが、この状況に慣れているの凄いですね』

私は安定が差し出す火の玉を受け取った
その時に安定の手に触れ、少しだけ違和感を覚えた

『…もしやあの妖に直接触れましたか？』
大和守「あ、そうそう。僕たちはあいつに直接斬りかかった面子なんだ」
乱「主さん、何か感じた？僕たちに悪い霊力とか付いてる？」
『悪い霊力と言うよりは、あの妖の強い念がほんの少しだけ感じられますね。後ほど手入れをさせてください』
大和守「良かった。呪いとかじゃなくて」

安定はちらりと加州を見た

大和守「…僕たちが死んだら、こいつは今度こそ立ち直れなくなるかもしれないからね」
『…加州の魂を身体に戻してみます』
大和守「え、主できるの？」
『何となくできそうな気がして…あ、一期。鶴丸と戯れるのも程々にして、千音を見ていてくれませんか？』
一期「戯れですと！？私は、鶴丸殿が貴方を口説くような真似をしたからお灸を据えたまででして」
『……千音を私の代わりに見ていてくれとお願いしたのですが、できないのですか？』

一期の大声に千音がグズり始めたので、少し強めの口調で一期を諌めた
一期は反省した様子で千音を受け取った

『全く…』

一期に呆れる3人に背を向け、私は加州に近付いた
トクン、トクンと脈打つ火の玉を加州の身体に向けると、俺の身体だと言わんばかりに輝きが増した

『…戻しますよ』