一期「貴方とこのままずっと一緒に」 (ページ17)

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【番外編】本丸トップ2 ⑥ ページ17

『腕がたつのは大変結構。これからは自分自身を制することができるようになりなさい』
一期「正論です…」
乱「気をつけます…」
『はい、手入れしますから、身体を起こして、腕出しなさい』
一期「あの、主殿…身体を動かすの、結構辛いのですが…」
『出しなさい』
二人「「はい…」」

二人は大人しく傷を負った腕を差し出した
審神者は消毒をし、包帯を巻き、霊力を注ぐなどして、手際よく傷を治していく

乱「…ん…」
『、乱』

注がれる心地よい霊力に、幼い身体の乱藤四郎の瞼が下がり始める
傾く上半身を審神者は支える
重傷の乱藤四郎にとって、審神者の霊力は麻酔のようなもので、乱藤四郎は今にも眠ってしまいそうだった

『乱、寝てもいいのですよ』
乱「…んーでも…」
一期「乱、少し寝なさい」
乱「……ん…」

眠気も限界だったようで、乱藤四郎は大人しく自重を審神者と兄に任せて目を閉じる
そっと布団に寝かせ、審神者は乱藤四郎に仕上げの霊力を注いだ
大きな傷や切られた髪は概ね治り、後は自然治癒を待つのみになった

『乱はこれで良し…』
一期「主、ありがとうございました」
『いいえ…』
一期「この子の小さな身体からどうやってあのパワーが出ているのやら…主、実は私はこの子に勝てたことは無いのですよ」
『…え、そうなのですか？』
一期「手を抜いているわけでも、鍛錬を怠っているわけでもないのですが…」

一期一振はそっと弟の髪を撫でる

一期「…乱は、負けず嫌いのようですから」
『負けず嫌い、ですか』
一期「はい。この子は兄弟の中でも負けず嫌いでして、それでいて戦いのセンスも経験もありますゆえ…ましてや本丸の二番手が、兄であるこの私であるとなると、ますます負けたくないのでしょうな」
『…粟田口は皆、負けず嫌いですよね。…貴方に似て』
一期「おや、私もですか？」
『一期は負けず嫌いですよ』

一期一振は照れたように笑った

一期「弟相手に大人気ないかもしれませんが…次は兄としての威厳を見せたいとは思っておりますな」
『…私は貴方のそういうところ、好きですよ』
一期「えっ本当ですか」
『でも、次からは中傷になったら貴方から止めるのですよ。それが兄としての役目です』

再び飛んできた小言に、兄はまた顔を顰めるしかなかった

『…もしも守れなかったら、今度は本体に封印してしばらく出してあげませんからね』
一期「え！？それはご勘弁を！」
『貴方たち次第です』
一期「そ、そんな…」

終わり