一期「貴方とこのままずっと一緒に」 (ページ16)

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【番外編】本丸トップ2 ⑤ ページ16

薬研「それもそうか」
『…太郎太刀！次郎太刀！乱と一期を手入れ部屋まで運んでください』
太郎「わかりました」
次郎「あいよ！兄貴は一期一振を頼むよ。アタシは乱運ぶからさ」
『そっと運んでくださいね』

太郎太刀と次郎太刀が倒れた二人をゆっくりと抱える
一期一振は担がれ、乱藤四郎は姫抱きにされた
担がれた拍子に、一期一振が意識を取り戻した

一期「っ…うぅ…ぐぅ…」
『、！一期…！』
一期「え…？あ、主…！？いらっしゃったんですか……いっつ…！！」
『大人しく運ばれなさい…全く…貴方と乱の手合わせがこんなに激しいなんて知りませんでした…』
一期「もっ…申し訳ありません……私も乱も…ヒートアップすると目の前の勝負しか見えなくなる質でして…」
『お話は手入れの時に聞きます…太郎太刀、持っていきなさい』
加州「も、持っていきなさいって…主…」

❁❀✿

『…はい、貴方はもう眠るだけですよ、蛍丸』
蛍丸「うん、ありがとう主…俺少し眠るよ…」

蛍丸は審神者から手入れを受け、布団の中で眠りについた
審神者は幼い見た目の大太刀の頬を撫で、その穏やかな寝顔に笑みを浮かべた

…のは、一瞬のことで

『では次は貴方たちの番ですよ、一期に乱』

振り返り、布団に寝かされた重傷の兄弟を睨んだ
二人はバツが悪そうに目を逸らした

一期「あ、主…」
乱「主さん、怒って…るの？」
『…怒ってはいません。戦うのは、刀の本分でしょう。訓練だってその内です』
一期「……やりすぎて、しまいましたか？」

夫である刀の、探るような、申し訳なさそうな視線を受け、審神者は糸が切れたようにまくし立てた

『……いくら本丸内で折れることは無いとはいえ、引き際くらい自身で判断なさいと言いたいのです！』
乱「うっ…主さん…傷に響く…」
『あのまま厚が止めてくれなかったら、どうなっていたと思うの…』
一期「厚は弟たちの中でも果敢な方ですし、これ以上はダメだというラインで止めてくれることはわかっておりました…」
『そういうことじゃないんですよ！』
乱「いち兄…今のは言っちゃダメだよ…」

兄の失言に弟は思わず項垂れた

『貴方もですよ、乱！』
乱「えぇっ！？僕！？」
『戦いは激化していくというのに…これからも誰かが止めてくれるのを待つっていうのですか！？』
乱「うっ…それは…」
『二人は戦いの腕は確かなようですが…自制も出来ないようでは一人前とは言えませんよ！』