一期「貴方とこのままずっと一緒に」 (ページ13)

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【番外編】本丸トップ2 ② ページ13

燭台切「…あっ！あ、主！」
『燭台切』
燭台切「えっと、先程、戻りました…えっと…真っ先に報告に向かわなくてごめんね…」
『今日は貴方が第二部隊長で、阿津賀志山に行ってもらいましたが、負傷者はいませんか？』
燭台切「槍の攻撃を受け流せずに、蛍丸くんが軽傷を負ったんだけど…」
蛍丸「えっ！俺のこと手入れ部屋に入れるつもり！？｣

頬を斬られ少しばかり血を流す小柄な大太刀が、なんで言うのさ、と言わんばかりに燭台切を睨んでいる

蛍丸「ねーお願い！この二人の手合わせからは得られるものが沢山あるんだ！俺、手入れに時間かかるから、終わる頃には手合わせも終わってるよ！」
『…そんなに凄いのですか？この二人は…』
加州「あーうん…ステータスにはかなり差があるはずなんだけどねー…」
薬研「あの二人は経験値がえげつないからな」

救急セットを抱えて来た薬研藤四郎が話しかけてくる

薬研「戦闘の経験がとにかく多い二人だぜ。ステータスに頼らない、実戦の積み重ねから来る臨機応変な動きには、兄弟ながら惚れ惚れするな」
『薬研、その救急セットの使い道を聞いても？』
薬研「本丸内で負った怪我は自然治癒を待つしかないからなぁ」
『………そんなに凄いのですか？この二人は…』
加州&薬研「「うん凄い」」

薬研は眼鏡をクイと上げた

薬研「…ま、大将も見てやってくれや。この本丸の、文字通り主戦力ってやつだ」
加州「危なくなったら俺が守るから、見やすいとこに行こっか」
『え、えぇ…』

加州と薬研に導かれ、主は道場がよく見渡せる場所に座った
来るとは思われなかった主の登場に、場の空気が更に盛り上がった

日本号「おー、あんたも見に来たのか」
陸奥守「おんし、手合わせに来るのは…」
小夜「初めて、だよね…」
『こんなに賑やかな空気は初めてでしたので…』
厚「大将ー！来てたのか！」

戦帰りの第二部隊、今から手合わせの二人の他に、唯一厚藤四郎は戦装束を着ていた

加州「今回は厚が仲介役するんだね」
『仲介役？』
厚「おう！手合わせがヒートアップして本人や本丸が手遅れになる前に、気絶させて止める役だ！」
『え？』
厚「特にこの二人の時は止めるのも一苦労だからな、身内である粟田口から選出する決まりなんだ」
『何故粟田口から？』
厚「遠慮なく気絶させられるだろ？」
『ああ…』

厚は眼差しを中央に向けた
そしてゆっくりと歩んでいく
手合わせが、始まるのだ