【番外編】本丸トップ2 ページ12
某月某日
某本丸にて───
『…あら？』
いつも騒がしい本丸だが、今日はいつにも増して騒がしかった
本丸の主は、幼い娘の世話をしながら、初期刀と和やかにお喋りをしていたのだが…
愛染「急げ蛍！始まっちまうよ！」
蛍丸「待ってよ国俊！」
燭台切「ちょっと待って！気持ちはわかるけど、先に主に報告を…」
鯰尾「えー！ちょっとくらい良いじゃないですか！」
御手杵「そうだぜ！今日ばかりは見とかねぇとな！」
燭台切「や、そうだけど…」
大倶利「アンタも行きたいんじゃないのか」
蛍丸「ほらほら行こ行こ！」
燭台切「ぅわっ、ち、力強いね…」
ドタバタ…
戦から帰ったばかりであろう6振りが大急ぎで道場に向かっていく
その6振り以外にも、真面目な者も大人しい者も、本丸の刀のほとんどが道場に向かうのが確認できる
『どうしたのかしら…真面目な燭台切も珍しい…』
加州「んー…？…あっ！主、今日の手合わせって誰と誰！？」
『手合わせですか？えっと…確か…一期一振と乱藤四郎です』
加州「それだよ！俺たちも道場向かうよ、主！」
『えっ？き、清光？』
❁❀✿
道場にて…
鶴丸1「やぁやぁ、集まってるな」
前田「鶴丸さん！」
鯰尾「骨喰！もう始まった！？」
骨喰「まだだ、兄弟」
今剣「ばしょをとっておきましたよ、三日月」
三日月「礼を言う、今剣よ」
鬼丸「…なんだ、この集まりは」
松井「さぁ…さっぱり…」
どうやら本丸のほとんどが集まっているようだ
初期刀と、赤子を抱いた主も遅れて集まってきた
加州「始まった！？」
大和守「まだだよ清光」
『はぁっ、はぁっ…どういう状況なのです…？』
加州「あっそっか、主や来たばかりの刀は知らないよね」
初期刀が主を気遣いながら話す
加州「うちの本丸の手合わせは、日替わりで組み合わせを変えてるじゃない？」
『そうね…身内でも色々な経験を積んでもらいたいという…お爺様の考えよね』
加州「うん。だからね、この組み合わせは…だいぶ久しぶりなんだ」
加州が視線を主から道場に移した
主もつられて視線を移すと、道場の真ん中に、皆の視線を集める人影が二つあった
一つは兄、もう一つは弟
兄の名は一期一振
いつもの穏やかな笑みは消え、背筋をしゃんと伸ばして弟をじっと見つめていた
弟の名は乱藤四郎
兄とは反対に口元は弧を描き、自分より一回り体格の大きい兄を見上げていた
この二人は本丸で特に一目置かれる存在
本丸内で1、2位を争う実力者であった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンリン | 作成日時：2024年3月22日 21時
