一期「貴方とこのままずっと一緒に」 (ページ2)

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必ずページ2

Aside

足の速い男士や既に戦装束を身につけていた男士はすぐさま化け物を追いかけて行った
その他の男士は、戦装束に着替えに行く者、今の状況を整理する者に分かれた
安定が悔しそうに加州を見つめる

大和守「…主ごめん。僕がもっと早く清光に危険が迫ってるって気付ければ…」
一期「大和守殿…」
大和守「あいつを突き飛ばしてでも、あの2振り目から守るべきだった…」

『…あの加州は2振り目ではなさそうですよ』

大和守「え？」
『加州の心の闇につけ込んで顕現した妖だと思われます』
大和守「心の…闇…」
『もっと早くに気付くべきだったのは私です。加州の様子がおかしかったことも…あの妖が暴れる前に制することだって出来たはず…。ごめんなさい、安定…』

大和守「…主と一期は千音の側にいてあげなよ。今の本丸の空気は本当に最悪だから…あの偽清光が赤ちゃんを…殺さないとも限らないよ」
一期「大和守殿は戦いに行かれるのですか？」
大和守「うん。強敵だろうけど、僕は負けないよ」
『心強いです。では、私と一期は、加州を連れて離にいます。万が一の時には離に来るのですよ』
大和守「わかった」

安定は刀をスラリと抜き構えた
ちらりと加州を見て、覚悟を決めたように走り出した

『…一期、事態は一刻を争います。加州を離まで運んでください。千音の側に行きましょう』
一期「かしこまりました」

加州を横抱きにした一期と共に離に走った
あの化け物が離の逆方向に行ったのが幸いして、何の障害もなく離に着くことが出来た
本丸の中で1番霊力が強く流れる場所、審神者の寝室である離
さして広くは無い部屋の中で、私たちの娘は眠っていた
思わず近寄って抱きしめた

千音「だぁ…うぅ…」
『あぁ…千音…ごめんね…1人にして…』
一期「千音は無事でしたか？」
『はい。良かった…いい子にしてたのね…』
一期「加州殿は襖から離れた所に寝かせておきます」

一期が加州を部屋の隅に寝かせた
この離にいれば、私が死なない限りは大丈夫だろう

皆は大丈夫かしら…

私の後ろで、一期が刀を抜く気配がした

一期「…主殿」
『一期…』
一期「私も戦いに参加してきます」
『…ここにいてはくれないのですか？』
一期「私なりにAを守らせてください」
『…死なないで』

ふと唇に感じた柔らかい感触
そして、気付けば一期に強く抱きしめられていた
身体を離した一期は、もう一度私の目を見て言った

一期「…必ず」