目覚め ページ46
Aside
『っ！』
バッ！
私は勢いよく体を起こした
薄暗い部屋に、私の荒い息の音だけが響く
前髪が、汗で顔にぴったりくっついていた
『ここは…』
見慣れた天井、馴染みのある布団
ああ…本丸に帰ってきたのね…
…
『一期…』
無意識に呟き、目から涙が零れ落ちる
一期が折れた瞬間のことは鮮明に覚えてる
…いっそのこと忘れたかった…
私はゆっくり立ち上がり、本丸内を歩くことにした
✱✱✱
今は夕方のようだ
日は落ちかけ、薄紫の空がとても美しい
廊下で最初に会ったのは短刀達だった
秋田「主君！！」
『秋田…みんな…！』
愛染「お、起き上がって大丈夫なのかよ！」
『平気です…心配しましたか？』
平野「当たり前ですよ！」
『ごめんなさいね…。私は…どれくらい…寝ていたのですか…？』
太鼓鐘「2日。みっちゃんと伽羅が超心配してたんだぜ？2人なら多分厨にいるし、顔を出したらどうだ？もうすぐ夕餉だしな！」
太鼓鐘が伊達男らしくにこりと笑い、他の短刀達をつれて歩き去って行く
…粟田口の子…意外と平気そうね…
…私だけ、なのかしら…
こんなにも胸が苦しいのは…
✱✱✱
燭台切「主いいいぃぃぃいいん！！」
『燭台切…暑い…』
厨に顔を出すと、お味噌汁のいい匂いがした
2日間何も食べていなかったために空腹だったので、私のお腹はいとも簡単に声をあげた
その音に気づいた燭台切が、こちらを見て、おたまを落としたのが数秒前
目に涙を浮かべて抱きつかれたのが3秒前
そして今に至る
燭台切「目が覚めたんだねっ」
『ご心配を…』
歌仙「やあ主！よく眠れたかい？」
加州「ねー、お腹すい…えっ！？主！？」
長谷部「主だと！？」
亀甲「起きてたんだね！」
和泉守「おー！主じゃねぇか！」
わらわらと打刀達が集まってくる
嬉しいけど、外見年齢が高めなので少し照れる…
大倶利「ふん。どうでもいいな」
燭台切「またまたぁ伽羅ちゃんってば！どうして素直に寂しかったって言えないの！」
宗三「そうですよ。あなた、ずっとそわそわしてたんですから」
陸奥守「良かったのう顔が見れて！」
大倶利「煩い！」
『そうなの…ですか？』
大倶利「ちが…くない…けど違う！」
燭台切「うん！ちょっと素直になったね！」
大倶利伽羅が心底嫌そうな顔をする
そして私の方を向き、私の手を掴んだ
…私の手を掴んだ？
大倶利「言いたいことがある。来い」
『！？』
そのまま手を引かれ、私は厨を出た
今日くらいは馴れ合っても→←私が今の私になった理由(回想終了)
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リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます！これからも頑張って更新していきます！ (3月23日 12時) (
レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です！続きがとても楽しみです！ (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます！楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます！ (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンリン | 作成日時：2017年4月3日 18時
