【Free!】飛び込んで 溺れてみたのは 恋だった

22.わかんなくて ページ23

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Aside



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｢…へ？｣



｢そ、その。なんか、泣いてるみたい…だったから｣




顔を上げると、綺麗なネイビー系の髪が目に入った。優しいルビー色の目で、私をのぞき込むその仕草が、なんだか前凛がしていたことと重なった。





｢ほら、ハンカチ｣



｢…えっ！いいよ！｣




｢つ、使えよ！そのままじゃ…目、腫れる…し…｣





恥ずかしそうにハンカチを差し出す美少年から受け取って、顔を拭いた。なんだか、少し嬉しくて頬が熱を帯びるのがわかった。





初対面なのに、なんだかすごい親近感が湧く。
その理由もわかんなくて、でも、わかんなくていいかなって思った。






｢ありがとう。これ、洗って返したいんだけど…その…｣




｢…LINE｣




｢はい！｣






スマホを差し出した美少年に合わせて、慌ててスマホを取り出した。LINEを開いて友達交換のところを押した。






ポンッと追加されたのは『桐嶋郁弥』というアカウントで、なんて読むのかわからなくてまゆをひそめた





｢…ごめん、これなんて読むの？｣



｢きりしまいくや。郁也でいい。｣




｢わかった！わたしもAって呼んでね！！｣




｢う、うるさい！バカA｣





そう言うと、駆け出してどっかに行ってしまった。
その背中を見つめながら、喉に手を当てた。





喉の渇きは、いつの間にか収まっていた。

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