【腐】○魂短編集 (ページ10)

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沖→(←)銀ページ10

ファミレスにつくと、すぐにテーブルにはパフェやらケーキやらで一杯になった。

その糖分に食いつく銀時を見て、沖田はクスクスと笑う。

「そんなに慌てなくても、糖分は逃げやせんぜ？」

「うるへー！ここはへんほくらー！！」

あれだけあった糖分をすべて食べ終えると、銀時は満足そうに笑った。

「ふー、食った食った！今日はありがとな、沖田くん！」

「いえいえ。で、旦那はなにしてくれるんで？」

「へっ？」

沖田くんの予想だにしない質問に、思わず間抜けな声が漏れた。

「だーかーら、誰もただでおごるとは言ってねぇでしょ？」

沖田の笑顔が黒く、嫌な予感がして銀時は後ずさる。

「な、なにって…なんだよ？」

「例えば-…、キス。とか？」

「はぁ！！？」

銀時は沖田が何をいっているのか意味がわからなかったが、沖田が本気だということは分かった。

沖田はまるで、獲物を仕留めようとする目をしていたから…。

本気…なのか？

ｶｧｧｧ///

そう思ったら顔がいっきにあつくなった。

そして、嫌じゃないと思う自分にもびっくりしてしまう。

沖田は本当は、もっと強いことを要求してもよかった。

それでも、「キス」までにしておいたのは沖田の良心だろう。

……でも、大事なことを忘れてねーか？

「もう忘れてると思うけどここファミレスだからね！！？仮にも公共の場だぞ！？」

「知ってやす。ていうか、するかしないかさっさとしてくだせェ。まあ拒否権はありやせんが。」

「えっ。」

そうだこいつドＳの変人野郎だった…！

そう、沖田は羞恥心をあおるためにあえてこの場で言ったのだった。

…ってか、公共の場じゃなきゃ俺の歯止めが効かなくなっちまうだろィ。

旦那はさっきから百面相していてかなり面白いが、それ以上に俺のことでそんなに悩んでくれていることが嬉しかった。

キスぐらい、初めてじゃないだろうに。

こんなことひとつひとつに真剣に悩む旦那が、愛しくて仕方がない。

さっきこの場所事態に突っ込んできたあたり、旦那が本気で嫌がっていないことぐらい一目瞭然でィ。

まだわたわたやっている銀時を見つめながら沖田は思った。

…いっそ襲ってやろうか。