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A「シーオーン?仮にもお嬢様なんだから、もうちょっと気を使って…」
シオン「あ、またそうやって距離おこうと…」
A「してない。周りの目も気にしなきゃダメでしょ
貴女はここ一帯を管轄としているお偉いさんの娘なんだから」
私がそう声をかけると、彼女は明らかに不服そうな顔をした
着物の裾をキュッと掴んで、桜色の頬を膨らませている
シオン「お父様はちょっと厳しすぎるのよ…私だってもうちょっと…」
ガラス細工を落とした子供のように、彼女は地面を鏡のように見つめていたが、途中まで言葉を押し出すと目を見開き小さく空いていた口を固く閉ざした
閉ざした口からは鉄製の息が漏れた
それが足元につく頃には、腰を下ろした木陰に太陽は届かなかった
彼女は良心の呵責を感じていた
……まずい
A「シオン」
私はシオンにできる限り優しい声をかける
握りしめられた彼女の手をそっと解き握りしめる
A「不快なことを自発してしまっても、そんなに落ち込まなくていいいんだよ」
彼女は私の手に目線をずらす
私の傷だらけの手に
じっとみつめてから、どうしようもない虚無感と後悔と積年の怒りを込めて私の手を握り返す
シオン「Aちゃん」
シオンが私の名前を呼ぶ
A「なぁに」
彼女の泣きそうな瞳に優しく返す
シオン「
_________……」
あの白い石の
たくさんの花が散ってゆく
花が風に煽られて、花弁が宙を踊るように舞う
私の目に最後に映ったのは紫苑の花と青いバラ
あそこにはもう行かない
行く必要は無い
あの子が…シオンが帰ってきたから
だからもう
シオンを
あそこに戻したくない
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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - キラリ&キララさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ございません。話数を間違えてしまったので修正させていただきました。わざわざご指摘頂き、ありがとうございます。 (2018年6月22日 20時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ&キララ(プロフ) - すみません"途中"まで一緒な気がするでした (2018年6月18日 16時) (レス) id: 8fa86492e9 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ&キララ(プロフ) - 102と103が同じな気がするんですが……気のせいですかね?気のせいならばごめんなさい (2018年6月18日 16時) (レス) id: 8fa86492e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ToaRin | 作成日時:2018年5月15日 19時