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「あったかい?」


「うん、あったかい」


優しい声の彼女に、出来るだけ柔い声で返す


昼休み。私たちは裏庭の日がよく当たる場所で昼寝をしていた


とは言っても、私はシオンに膝枕してもらっているのだけれど…


「最近、Aちゃん疲れてたみたいだから…ちょっとでも元気出してもらいたくて」


虐待のことを気にしているのだろうか、それともいじめの件だろうか


心当たりが多すぎて正しい答えを私自らが答えを導き出すことは不可能だった


だからといって、彼女に回答を聞くようなマネはしないが…


「ここ、特等席になっちゃったね」


シオンはクスクスと笑う


「シオンが毎日来てること皆知ってから近づかなくなったからでしょ」


私もできる限り笑ってみせる


「それって、やんない方が良かったりする?」


「まさか、むしろ嬉しいよ」


良かったと綺麗に指を揃えて口を抑える彼女は風に靡かれ、太陽に祝福されている


しかし、私と彼女にどんなに大きな存在の差が出来たとしても


私は彼女を手放すことはできないし、彼女も私を手放すことは出来ない。


そういう関係


「ねぇ、Aちゃん。ペンダント付けてる?」


「聞かなくてもわかるでしょ」


「確認だよー」


私は下から彼女を見上げた


その茶髪はカーテンのようになっていて、太陽の下にいるシオンの顔はちょうど影になっている


私にしか見えない。私しか見たことのない表情。


胸元からネックレスのチェーンを引っ張りだし、彼女に見せた


ソレをみるとニコッと笑い、ピンク色の血色のいい唇を開く


「そうだ!Aちゃんの好きそうな缶バッジ見つけたの!あげる!!」


ポケットから透明な包装紙にちょこんと座っているものを私の胸ポケットにそっと入れた


「プレゼントだよ」


知ってる


これは行けない行為だって


彼女の独占欲を掻き立てちゃいけない…って


それで彼女は苦しんでいるんだから


苦しませているのは私なんだから


「ねぇ、シオン」


「なぁに?」


「ごめんね」


「…………プレゼントごときで何言ってるの?全くもー!」


私には彼女だけ


彼女には私だけ


その関係は、何よりも重い

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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - キラリ&キララさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ございません。話数を間違えてしまったので修正させていただきました。わざわざご指摘頂き、ありがとうございます。 (2018年6月22日 20時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ&キララ(プロフ) - すみません"途中"まで一緒な気がするでした (2018年6月18日 16時) (レス) id: 8fa86492e9 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ&キララ(プロフ) - 102と103が同じな気がするんですが……気のせいですかね?気のせいならばごめんなさい (2018年6月18日 16時) (レス) id: 8fa86492e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ToaRin | 作成日時:2018年5月15日 19時

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