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「これが、全てです。」


どれほどの時間が経ったのだろう


松陽「………」


松陽は言葉を失っていた


目を見開き、私を凝視した


全てを話した私を


銀さんの約束を負った私の話を聞いて


松陽「それは…」


「真実ですよ。私の過去も…銀さんからの使命も…信じ難いものだと思いますが…」


雨の音が小さくなっていた


そんなに長い時間、私は語っていたのか


松陽「辛かった…ですね…」


「そうでもない」


松陽の言葉を否定した


もっと苦しんでいる人なんか沢山いる


比にならないほどに


「私は…この世界でアノ子を救うだけ


それだけ」


松陽「………だから、貴女は何処にもいないんですね」


「そうね」


もうほとんど聞こえなくなった雨の音


通り雨だったらしい


松陽「でも」


雲が風に乗り、薄れていく


暗かった部屋は少しずつ明るくなる


松陽「私は、貴女が貴女自信の為に生きれるように」


一筋の光が指す


部屋が金色に輝く


松陽「貴女が、自分を許せるように」


松陽がこちらを向いた


その表情が明らかになる


松陽「私は、貴女の側にいます」


あったかくて


やさしくて


眩しい


「駄目だな…私…」


手の甲で目尻を拭う


閉じていた口が開く


「ちゃんと、銀さんになるって…決めた、のに…」


ぽろぽろ


涙が


「もう、泣かないって…きめ、た……っのに…!」


松陽「誰も泣いてはいけないなんて、言っていませんよ……銀時になれなくても、貴女は貴女でいればいい…」


また、柔らかく微笑んだ


私は彼にしがみつく


「っうぅ…」


その声の後に息を吸って


私は大きく泣き始めた


それを宥めるように、松陽は私の頭を撫でた


初めて


他人に打ち明けた真実が


こんなに


こんなにも


私の背中を押してくれた

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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ミリアさん» 返信が遅くなってしまい大変申し訳ございません。ありがとうございます。リクエストとしてお受け取りさせていただきます。作品が一区切り、または完結致しましたら、手をつけようと思っています。 (2018年4月16日 22時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で続きが凄く楽しみですもし今後他の作品を作る予定があったら銀時♀逆行か高杉の姉か妹か娘がワールドトリガーかリボーンかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも更新頑張ってくださいね (2018年4月12日 0時) (レス) id: 673ec4ec31 (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - いえいえ、全然、うれしいです♪ありがとうございます!(*^o^*)よろしくお願いします<(_ _)> (2018年3月21日 11時) (レス) id: 1890f311d0 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - aina♪さん» 私なんかでよければ、構いませんよ!ただ、参考になるかは分かりません…出来る限りのことはさせていただきます! (2018年3月20日 23時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - もし、良かったら、私の作品も読んでくれませんか?(>_<)初めてで全然自信ないので、アドバイスほしいです! (2018年3月20日 23時) (レス) id: 1890f311d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ToaRin | 作成日時:2018年3月20日 20時

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