73 ページ41
幸せな時間も3ヶ月で終わりを告げた
泉は突然、俺の前から姿を消した
泉のいなくなった家に残されたのは達筆な字で書かれた置き手紙が1つ。囲炉裏のそばに置いてあった
「もう、貴方の隣で笑うことは出来ません。
ずっと隠していて申し訳ございません。
貴方のお父様は病死ということになっていますが
お父様を殺したのは私です。
本当にごめんなさい。」
あまりにも簡潔で、それを伝えるためだけに書かれていた手紙
俺に謝るためだけの手紙
父の死の真実だけを書いた手紙
でも、正直
父の死の真実より、俺はその手紙の内容に
俺自身が全く登場していないことの方がショックだった
アイツと父のことだけ
3ヶ月という月日はあっという間だけど、かけがえのないものだった
俺の描く未来には泉が隣にいたのに
あいつの未来に、俺はいない
今度こそ俺は天涯孤独の身になってしまった
何も理解出来ず、俺は泉のいなくなった席を呆然と見ることしか出来なくなった
しばらく経って、やっと理解出来たのは
泉は父を殺したという割に、その内容がからっきしだったということ
理想や妄想ではなく、父の死に泉が関わっていることには何か理由があったんだろう
そして、父の死の贖罪のため
俺と3ヶ月を過ごしたのだろう
_________
_____
_
あの時の俺は子供だったから
お前の不在を嘆くことしかできなかった
でも、俺はまだ
お前のことちゃんと
長い階段は、疲労しているせいでいつもより更に長く感じた
頭の中は泉のことでいっぱいいっぱいで
ガクガクと震える足を気にかけてやるほどの余裕も残っていない
あれから、あれから2年が経った
いつだって思ってた
俺は、おまえと話がちゃんとしたい
真っ赤で大きな鳥居が近づいてくる
あと少し…!!
バランスを崩しながら手を付き、駆け上がった先には
大きく広がる景色があった
しかし
桂「誰も…いない…?」
俺の予想していたものとは遥かに違う景色だった
桂「どこにい…」
張り上げた声を出そうとした時、
後頭部の激しい痛みと、身体が重力に従って地面に落ちいく感覚がした
桂「あ……れ…」
途切れ途切れの小さな声を上げ、身体が石畳に打ち付けられた時
俺の意識は闇に消えた
30人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ミリアさん» 返信が遅くなってしまい大変申し訳ございません。ありがとうございます。リクエストとしてお受け取りさせていただきます。作品が一区切り、または完結致しましたら、手をつけようと思っています。 (2018年4月16日 22時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で続きが凄く楽しみですもし今後他の作品を作る予定があったら銀時♀逆行か高杉の姉か妹か娘がワールドトリガーかリボーンかアニメKとコラボかトリップか転生した作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも更新頑張ってくださいね (2018年4月12日 0時) (レス) id: 673ec4ec31 (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - いえいえ、全然、うれしいです♪ありがとうございます!(*^o^*)よろしくお願いします<(_ _)> (2018年3月21日 11時) (レス) id: 1890f311d0 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - aina♪さん» 私なんかでよければ、構いませんよ!ただ、参考になるかは分かりません…出来る限りのことはさせていただきます! (2018年3月20日 23時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
aina♪(プロフ) - もし、良かったら、私の作品も読んでくれませんか?(>_<)初めてで全然自信ないので、アドバイスほしいです! (2018年3月20日 23時) (レス) id: 1890f311d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ToaRin | 作成日時:2018年3月20日 20時